自分が恩恵を受けそこなっても子供にいく

──インデックス投資を始めて7年になるわけですが、どうですか、増えているという実感はありますか。

 ここのところ、ずっとほったらかしなので、正確には分かりませんが、それなりに増えてはいると思います。ただ、今現在いくらになっているかは、どうでもいいといえばどうでもいいんです。もともと老後の不安から始めたわけですし、肝心なのは20年後、30年後どうなっているかですから。

──その点では心配していない?

 世界経済は成長していく、ということを否定する人はいません。もちろん、何年か後に世界的な不況がやってくるかもしれません。
 でも、リーマンショック後、立ち直って再び成長に向かったように、そのときもまた復活に向かうでしょう。だから、20年、30年のスパンで考えれば、世界の経済成長の恩恵にあずかれるだろうと思っています。そしてそもそも月々3万円の投資ですから、リターンに対して貪欲になる理由がないというか…(笑)。

──でも、例えばおぱるさんが老後を迎えてから世界恐慌が起こり、一気に下落してしまうこともあるのではないでしょうか。

 それも考えたことがあります。でも、その問題は解消されました。

──というと?

 投資を始めて2年目に結婚したと言いましたが、実は一昨年、子供が生まれたんです。つまり、私が積み立てた分を子供に受け継ぐことができるようになった。だから、20~30年どころか、70年、80年というスパンで考えられるようになったんです。たとえ私が世界の経済成長の恩恵を受けそこなっても、子供が受けられるということです。

──なるほど。やっぱり結婚、出産を経て、投資に対する考え方が変わりましたか?

 どうだろう、結婚して変わったわけではないかもしれないですね。もし夫が投資に関心があるなら、2人でいろいろ考えたりしたかもしれませんが、投資には興味がないみたいだし(笑)。
 それより子供ができたことの方が大きいかな。子供ができると出費がかなり増えるじゃないですか。しかも、これから教育費がかかる。だから、まあ、お金のことだけでなく、もっといろいろ頑張ろう、みたいな気持ちにはなります。

──お子さんができて、ご主人が変わるかもしれませんよ。

 下手に投資好きになるくらいなら、今のままでいいです(笑)。

──では、最後にこれから投資を始める人にアドバイスをいただけますか。

 もしインデックス投資を始めるつもりなら、まずは1冊本を読んでみてはどうですか、と言いたいです。

──おぱるさんは最初に2冊買われましたが、その後もいろいろ読んでますか。

 いえ、インデックス投資関連の本って、どれも書いていることは似たり寄ったりなんですよ。だから、あれこれたくさん読むよりも絞って読んだほうが良いと思います。
 最初の2冊はけっこう読み返しています。投資絡みで分からないことがあったら、それに該当する個所を探してもう1度読んでみたり。

──そういう本があると便利ですよね。そうそう、マネーセミナーみたいなものも行った方がいいですか。

 いや、どうですかねえ。試しにのぞいてみるのはいいかもしれませんが、とくに行く必要はないと思います。私の場合も本で十分でしたし。

──今日はありがとうございました。

「今を生きながら将来に少し備えられればそれでOK。老後資金として足りるか足りないかは、老後になってから考える、でいいと思います。投資家というと資産額がものすごく多い方々が目立つけれど、月々3万円の積み立てNISAしかしていない私も『投資家』。あまり上を見すぎずマイペースにやっていきたいです」