人気ブログ『インデックス投資女子 Around40 Happy Lifeを運営する女性ブロガー、おぱるさん(40代・会社員)のインタビュー、後編をお届けします。今回は現在のポートフォリオや将来のこと、さらに読者へのメッセージもいただきました。

細かいことにこだわらないのが長続きの秘訣

──前回、先進国株式80%、新興国株式10%、日本株式10%の比率に変更したと伺いました。現在も同様ですか。

 はい、ただし、商品は違います。前は先進国株式ファンドと新興国株式ファンド、日本株式ファンドの3つを積み立てていました。今は、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」、1本だけです。これはその名の通り、全世界、つまり先進国株式と新興国株式、日本株式に投資する商品です。だから、これ1本で事足りるんです。

──投資はしたいけど、面倒なことはしたくない。シンプルで簡単なものがいい。そういうおぱるさんにぴったり?

 その通りです(笑)。「eMAXIS Slim」シリーズは信託報酬も安いですし。

──最初から買っていればよかった?

 私が投資を始めたころはこの手の商品はなかったんですよ。これも発売されたのは昨年10月です。当時からあったら、当然、買っていたと思います。

──これはつみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の枠ですか。

 はい。つみたてNISAには年間40万円という投資上限額が設けられていますよね。私は月3万円積み立てできればいいので、ちょうど好都合だったんです。
 つみたてNISAを利用すると、投資による運用益が20年間非課税になるわけですから、絶対にお得だと思います。

──ちなみにiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)には入っていますか。

 いろいろ事情があって、今のところ入っていません。ただ、iDeCoも間違いなくお得なので、たぶん近いうちに入ると思います。
 そうそう、iDeCoって加入したら60歳まで引き出すことができないじゃないですか。ってことは例えば、しょっちゅう小遣いをねだってくるようなダメ男くんとつきあっている女性は入っておくといいと思いますよ。そのお金だけは死守できますから(笑)。

──まあ、その前にそういう男とは別れた方がいいように思いますが(笑)。

 私もそう思います(笑)。

──ところで、おぱるさんはこれまで何度か積み立て商品を変更していますよね。前に持っていたものは売却するんですか。

 いえ、ほとんど持ってます。だから、今現在、積み立てを行っているのは「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」だけですけど、保有ファンドということだと、けっこうたくさんあります。

──売るつもりはないのですか。

 お金に困っているわけではないし、持っていて困ることもないので、まあ、いいかなと。それに売ると20%の税金がかかりますし。以前、先輩ブロガーの方に「どんどんファンドが増えちゃうんです」と話したら「そんなもんだよ」とおっしゃってました(笑)。

──でも、それらのファンドの基準価額(投資信託の値段)は変動しますよね。となると、あれこれ持っていると、先進国株式80%、新興国株式10%、日本株式10%という比率が崩れていきませんか。

 そうなんです。だから、本当は先進国株式の比率が下がったら、先進国株式のファンドを買い足すなりして調整すべきなのでしょうが、今はそこまで手が回っていません。

──あまり細かいことにはこだわらない、ということでしょうか?

 そうですね。そもそも生活防衛資金と無リスク資産を確保したうえでのリスク資産運用ですので、その中の比率のズレはおいおい調整できればいいかなと思っています。

──たしかに厳密にやりすぎると、いろいろ面倒になって、嫌気がさしてくるかもしれません。

 はい、だから、多少緩めでいいかなと思ってます。

自分が恩恵を受けそこなっても子供にいく

──インデックス投資を始めて7年になるわけですが、どうですか、増えているという実感はありますか。

 ここのところ、ずっとほったらかしなので、正確には分かりませんが、それなりに増えてはいると思います。ただ、今現在いくらになっているかは、どうでもいいといえばどうでもいいんです。もともと老後の不安から始めたわけですし、肝心なのは20年後、30年後どうなっているかですから。

──その点では心配していない?

 世界経済は成長していく、ということを否定する人はいません。もちろん、何年か後に世界的な不況がやってくるかもしれません。
 でも、リーマンショック後、立ち直って再び成長に向かったように、そのときもまた復活に向かうでしょう。だから、20年、30年のスパンで考えれば、世界の経済成長の恩恵にあずかれるだろうと思っています。そしてそもそも月々3万円の投資ですから、リターンに対して貪欲になる理由がないというか…(笑)。

──でも、例えばおぱるさんが老後を迎えてから世界恐慌が起こり、一気に下落してしまうこともあるのではないでしょうか。

 それも考えたことがあります。でも、その問題は解消されました。

──というと?

 投資を始めて2年目に結婚したと言いましたが、実は一昨年、子供が生まれたんです。つまり、私が積み立てた分を子供に受け継ぐことができるようになった。だから、20~30年どころか、70年、80年というスパンで考えられるようになったんです。たとえ私が世界の経済成長の恩恵を受けそこなっても、子供が受けられるということです。

──なるほど。やっぱり結婚、出産を経て、投資に対する考え方が変わりましたか?

 どうだろう、結婚して変わったわけではないかもしれないですね。もし夫が投資に関心があるなら、2人でいろいろ考えたりしたかもしれませんが、投資には興味がないみたいだし(笑)。
 それより子供ができたことの方が大きいかな。子供ができると出費がかなり増えるじゃないですか。しかも、これから教育費がかかる。だから、まあ、お金のことだけでなく、もっといろいろ頑張ろう、みたいな気持ちにはなります。

──お子さんができて、ご主人が変わるかもしれませんよ。

 下手に投資好きになるくらいなら、今のままでいいです(笑)。

──では、最後にこれから投資を始める人にアドバイスをいただけますか。

 もしインデックス投資を始めるつもりなら、まずは1冊本を読んでみてはどうですか、と言いたいです。

──おぱるさんは最初に2冊買われましたが、その後もいろいろ読んでますか。

 いえ、インデックス投資関連の本って、どれも書いていることは似たり寄ったりなんですよ。だから、あれこれたくさん読むよりも絞って読んだほうが良いと思います。
 最初の2冊はけっこう読み返しています。投資絡みで分からないことがあったら、それに該当する個所を探してもう1度読んでみたり。

──そういう本があると便利ですよね。そうそう、マネーセミナーみたいなものも行った方がいいですか。

 いや、どうですかねえ。試しにのぞいてみるのはいいかもしれませんが、とくに行く必要はないと思います。私の場合も本で十分でしたし。

──今日はありがとうございました。

「今を生きながら将来に少し備えられればそれでOK。老後資金として足りるか足りないかは、老後になってから考える、でいいと思います。投資家というと資産額がものすごく多い方々が目立つけれど、月々3万円の積み立てNISAしかしていない私も『投資家』。あまり上を見すぎずマイペースにやっていきたいです」