米中首脳会談後のドル/円は伸び鈍く

 世界中が注目していた米中首脳会談は、追加関税見送り、協議継続と、予想通りの結果となりましたが、ファーウェイに対する部品販売を認めたことや、米朝の電撃首脳会談を受けて、8日(月)早朝からドル買い、円安方向で跳ね上がる展開となりました。

 しかし、午後に入ると会談への期待からドル高、円安の動きを示していたため、108円台半ばで利食いや値頃感から押し戻されている状況となりました。週明けの東京株式市場は大幅な上昇となりましたが、ドル/円はその株高の中でも伸びが鈍い動きとなりました。

 米中貿易問題は協議継続という形で一時休戦となりましたが、貿易問題が解決したわけではなく、むしろ長期化することが確認されたという意味で、週明けのマーケットのご祝儀相場は一時的な動きになる可能性があります。米朝首脳会談も協議再開が確認されただけであり、サプライズ会談の消化一巡後は目新しいものがないため、材料としては消化されたようです。

 一時的な動きかどうかを確認するためには、週明けに跳ね上がったドル/円やクロス円の高値水準を今週の相場の中で再び抜け切れるかどうかがポイントになります。

 ドル/円は108.50円近辺、ユーロ/円は123.30円近辺、豪ドル/円では76.20円近辺がその注目ポイントです。

 もし、これらの相場ポイントを抜け切れなければ、再びこう着相場となり、市場はFRB(米連邦準備制度理事会)ら中央銀行の金融政策や、米国や中国の経済指標に焦点が移ることが予想されます。