7月FOMCで利下げは米中の経済統計次第
6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では利下げが示唆されましたが、その後、前のめりになっているマーケットを冷やすかのように、大幅利下げ期待をけん制する発言が出ました。
しかし、依然マーケットの7月利下げ観測は強いものがあります。7月30~31日のFOMCで利下げがなかった場合、あるいは根強い期待のある0.5%利下げがなかった場合、失望感から株は急落するかもしれませんが、すぐに次回への利下げ期待が高まり、急落は一時的な反応になる可能性もあります。
また、年内の数回の利下げ期待が続けば、ドル/円の売り圧力が継続されることが予想されます。
FRBの利下げ姿勢は、今後の米中の経済統計によって左右されます。米国の1-3月期GDP(国内総生産)成長率は+3.1%でしたが、アトランタ連銀が公表する4-6月期GDP予想は+1.5%(7月1日時点、6月18日時点では+2.0%予想)、ニューヨーク連銀が予想する4-6月期GDPは+1.3%(6月28日時点)と、前四半期よりも減速する予想となっています。減速感がはっきりしてくればくるほど利下げ期待は高まります。
また、今回の米中首脳会談で3,000億ドルへの追加関税は見送られましたが、5月10日に発動された2,000億ドルの10%から25%への関税引き上げの悪影響を、中国のファンダメンタルズが吸収したかどうかはまだ分からない状況です。今後の経済統計に反映されてくる可能性があります。