今日のポイント

・日本株は、配当利回りから見て割安と判断。ただし、短期的に急落・急騰を繰り返すので、投資タイミングがむずかしい。

・投資の初心者は、一度に大きな金額を投資すべきでない。日経平均インデックスファンドや、10万円以下で買える好配当利回り株への小口投資からはじめると良い。

・時価総額1,000億円以上、配当利回り(予想)2.5%以上、4%以下の銘柄から、10万円以下で買える銘柄を絞り込むと、19銘柄が得られる。そのうち、筆者が買ってみたいと思うのは、8銘柄。

日本株は配当利回りから見て割安と判断

 日本株は、配当利回りや、PER(株価収益率)などの株価指標で見て、割安と判断しています。長期投資で、資産形成に貢献する投資対象と考えています。

日本の長期金利(10年もの新発国債利回り)と東証一部予想配当利回りの推移:1993年5月―2017年9月(1日まで)

出所:楽天証券経済研究所が作成

 1993年当時、長期金利が5%あったとき、東証一部配当利回りは1%未満でした。このとき、長期国債は割安で、日本株は割高でした。ところが、2017年9月現在、長期金利はゼロまで低下しましたが、配当利回りは2%まで上昇しています。今は、長期国債が割高で、日本株が割安と判断しています。

10万円から始める好利回り株投資

 日本株は、配当利回りから見て割安で、長期投資の対象として魅力的と考えています。ただし、銘柄選択は大切です。人気株に飛び乗って高値づかみとなり、株価が急落すると大きな損失をこうむることもあります。


 これから日本株への投資を考える初心者は、日経平均に連動するインデックスファンドや、10万円以下で買える銘柄への小口投資から始めたらいいと思います。一度に大きな金額を買うのではなく、毎月一定額を買い付けるなど、堅実に投資を増やしていく買い方が良いと思います。


 そこで、今日は、10万円以下で買える好配当利回り株をご紹介しようと思います。

スーパースクリーナーを使って銘柄選択

 楽天証券HPでは、さまざまな条件を指定して、その条件に合った銘柄をスクリーニング(抽出)する「スーパースクリーナー」というツールを提供しています。スーパースクリーナーの使い方は、以下をご参照ください。
「スーパースクリーナーを使った銘柄分析方法を動画で解説」
 

 今日は、スーパースクリーナーを使って選ぶ、10万円以下で投資できる好配当利回り株を、ご紹介します。以下の手順で絞り込みます。

10万円以下で買える1,068銘柄を抽出

 まず、東証一部・二部・東証マザーズ・ジャスダック・名証に上場する銘柄について、「投資金額10万円以下」の条件を指定すると、1,068銘柄が出てきます。この1,068銘柄が、9月4日時点で、最小投資単位が10万円以下の銘柄です。

予想配当利回りが2.5%以上の44銘柄を抽出

 10万円以下で買える銘柄から、配当利回りが高めのものを抽出します。「配当利回り(予想)が2.5%以上」という条件を加えると、銘柄数は、一気に44銘柄まで減ります。これが、10万円以下で買える好配当利回り株の候補となります。

予想配当利回りが4%超の4銘柄を除外

 私は、ここから、配当利回り(予想)が、4%超の銘柄を除外します。10万円以下で買える「予想配当利回りが2.5%以上、4%以下」の銘柄に絞り込むわけですが、銘柄数は40に減ります。
 「なぜ、配当利回りが4%以上の銘柄を除外するのか」不思議に思った方もいるでしょう。配当利回り(予想)は高ければ高いほど、いいというわけではありません。


 株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して、減配(1株当たり配当金を減らすこと)になり、株価が下がることもあります。好配当利回りを選別するときは、なるべく減配リスクの低い銘柄を選ぶべきです。

 経験則から言うと、配当利回り(予想)が4%を超える銘柄には、減配リスクが高い銘柄が多いと言えます。したがって、配当利回り4%超の銘柄は、投資対象から外したほうが無難です。

さらに、時価総額が1,000億円以上の銘柄に絞り込む

 減配リスクの低い銘柄にさらに絞りこむ方法は、いろいろあります。減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下のような特色があります。

①時価総額が大きい
②経常利益率が高い
③自己資本比率が高い(借金が少ない)
④景気の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)
⑤経営者が株主への利益配分に積極的

 すべてを満たす銘柄はありません。上記の1つか2つを満たせば十分と考えます。今日は、一番単純でわかりやすい「時価総額が大きい」という条件で絞り込んでみました。「時価総額1,000億円以上」の条件を加えると、銘柄数は、19までに絞り込まれます。

10万円以下で買える、時価総額1,000億円以上、配当利回り(予想)2.5%以上、4%以下の19銘柄

 上記の方法で絞り込んだ19銘柄は、以下の通りです。

スーパースクリーナーで抽出した19銘柄

出所:楽天証券スーパースクリーナーより作成。9月4日時点で、最低投資金額10万円以下、時価総額1,000億円万以上、配当利回り(予想)2.5%以上、4%以下の19銘柄を抽出

私が投資してみたいと考える8銘柄

 スクリーニングで選んだ銘柄に、機械的に投資するのは得策とは言えません。配当利回りが高めの銘柄には、将来、減配になるリスクのある銘柄が含まれているからです。

 私は、過去25年間、日本株ファンドマネージャーをやっていました。上記19銘柄のうち、私がもし今、ファンドマネージャーならば買ってみたいと思う銘柄は、8銘柄あります。投資魅力が高いと考える順に並べると以下の通りです。

筆者がファンドマネージャーならば買ってみたい8銘柄

No コード 銘柄名 業態 配当利回り 最低投資金額:円
1 8306 三菱UFJ FG 大手銀行 2.7% 66,770
2 8411 みずほFG 大手銀行 4.0% 18,810
3 8002 丸紅 総合商社 3.5% 71,470
4 2768 双日 総合商社 3.4% 29,100
5 9412 スカパーJSAT HD 情報通信 3.6% 49,500
6 9069 センコーグループHD 陸運 2.8% 77,800
7 3050 DCM HD 小売 2.7% 96,800
8 5020 JXTG HD 石油精製 3.3% 54,420
出所:楽天証券経済研究所が作成

 銀行株には、配当利回りが高い、割安な銘柄が多数ありますが、私は、3メガ銀行に絞って投資した方がいいと思っています。上記リストに出ている三菱UFJ FGとみずほFGのほか、三井住友FG(8316)も、予想配当利回りが3.9%と高く、安定的に高収益を稼ぐと期待されるので、投資魅力は高いと考えています。ただし、三井住友FGは、最低投資金額が約40万円と大きいので、上記リストには入りません。


 銀行株の投資判断については、以下のレポートをご参照ください。
8月23日3分でわかる!今日の投資戦略「嫌われ者の3メガ銀行は魅力的!」

 丸紅・双日は、総合商社です。資源価格の下落が業績に逆風ですが、積極経営で、非資源事業を拡大し、成長する期待があります。世界景気敏感株で、株価の変動が激しいので、あまり大きな金額を投資するのは考え物ですが、投資ポートフォリオの一部に組み込んでおきたい銘柄です。


 スカパーJSATは、スカパー事業が不振で、株価は割安に放置されています。ただ、JSAT事業が安定収益源となっており、将来的に配当を維持していくことが可能と予想しています。

 センコーグループは、意外な最高益更新企業です。今期(2018年3月期)、連結純利益は、8期連続で最高益を更新となり、8期連続で増配することが見込まれています。トラック輸送業界は、人手不足に苦しみますが、最近、料金引き上げが通り始め、今後、収益環境が改善すると予想しています。

 DCMも、意外な最高益更新企業です。今期(2018年2月期)、連結純利益は、2期連続で最高益を更新となる見込みです。ホーマック・ダイキ・カーマなどのホームセンターを展開しています。

 JXTGグループは、国内の石油精製事業で業界再編が遅れ、低収益が続いていますが、将来的に、収益改善を進めていく期待があります。


 今日は、読者から要望の多い、10万円以下で買える銘柄の解説を行いました。明日からまた、通常のレポートに戻ります。