日本株は配当利回りから見て割安と判断
日本株は、配当利回りや、PER(株価収益率)などの株価指標で見て、割安と判断しています。長期投資で、資産形成に貢献する投資対象と考えています。
日本の長期金利(10年もの新発国債利回り)と東証一部予想配当利回りの推移:1993年5月~2019年11月(6日まで)
1993年当時、長期金利が5%あった時、東証一部配当利回りは1%未満でした。この時、長期国債は割安で、日本株は割高でした。ところが、現在、長期金利はゼロ近くに低下しましたが、配当利回りは2.4%まで上昇しています。今は、長期国債が割高で、日本株が割安と判断しています。
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10万円から始める高利回り株投資
日本株は、配当利回りから見て割安で、長期投資対象として魅力的と考えています。ただし、銘柄選択は大切です。人気株に飛び乗って高値づかみとなり、株価が急落すると大きな損失をこうむることもあります。
これから日本株への投資を考える初心者は、日経平均に連動するインデックスファンドや、10万円以下で買える株への小口投資から始めたらいいと思います。一度に大きな金額を買うのではなく、毎月一定額を買い付けるなど、堅実に投資を増やしていく買い方が良いと思います。
そこで、今日は、10万円以下で買える高配当利回り株をご紹介します。
スーパースクリーナーを使って銘柄選択
楽天証券HPでは、さまざまな条件を指定して、その条件に合った銘柄をスクリーニング(抽出)する「スーパースクリーナー」というツールを提供しています。スーパースクリーナーの使い方は、以下の動画をご参照ください。
今日は、スーパースクリーナーを使って選ぶ、10万円以下で投資できる高配当利回り株を、ご紹介します。以下の手順で絞り込みます。
◆10万円以下で買える1,414銘柄を抽出
まず、東証一部・二部・東証マザーズ・ジャスダック・名証に上場する銘柄について、「投資金額10万円以下」の条件を指定すると、1,414銘柄が出てきます。この1,414銘柄が、2019年11月6日時点で、最小投資単位が10万円以下の銘柄です。
◆予想配当利回りが4%以上の33銘柄を抽出
10万円以下で買える銘柄から、配当利回りが高いものを抽出します。「配当利回り(予想)が4%以上」という条件を加えると、銘柄数は、一気に33まで減ります。これが、10万円以下で買える高配当利回り株の候補となります。
10万円以下で買える予想配当利回り4%以上の33銘柄:2019年11月6日時点
配当利回り(予想)は高ければ高いほど、良いというわけではありません。なぜならば、株の配当利回りは、確定利回りではないからです。業績が悪化して、減配(1株当たり配当金を減らすこと)になり、株価が下がることもあります。高配当利回りを選別する時は、なるべく減配リスクの低い銘柄を選ぶべきです。
予想配当利回りが高すぎる(6%超)銘柄は、減配リスクが高いと考えるべきです。きちんと調査して選別する場合は良いが、そうでない場合は避けた方が無難です。
さらに、時価総額が1,000億円以上の銘柄に絞り込む
減配リスクの低い銘柄にさらに絞りこむ方法は、いろいろあります。減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下の特色があります。
1.時価総額が大きい
2.経常利益率が高い
3.自己資本比率が高い(借金が少ない)
4.景気の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)
5.経営者が株主への利益配分に積極的
6.予想配当利回りが高すぎない(→予想利回りが高すぎる銘柄は減配リスクが高い)
すべてを満たす銘柄はありません。上記の1つか2つを満たせば十分と考えます。今日は、一番単純で分かりやすい「時価総額が大きい」(時価総額1,000億円以上)、予想配当利回りが高すぎない(6%以下)という2つの条件で絞り込んでみました。すると、銘柄数は、15に絞り込まれます。
10万円以下で買える、時価総額1,000億円以上、配当利回り(予想)4~6%の15銘柄
スーパースクリーナーで抽出した15銘柄:2019年11月6日時点
私が投資してみたいと考える7銘柄
スクリーニングで選んだ銘柄に、機械的に投資するのは得策とは言えません。配当利回りが高い銘柄には、将来、減配になるリスクもあるからです。ここから、さらに絞り込む必要があります。証券会社2社(大和証券グループ本社・松井証券)について、私は投資判断を述べることはできませんので、この2社を除いた13社から選別します。
私は、1987年から2013年まで、日本株ファンドマネージャーをやっていました。私がもし今、ファンドマネージャーならば買ってみたいと思う銘柄は、7銘柄あります。以下の通りです。
筆者がファンドマネージャーならば買ってみたい7銘柄
コード | 銘柄名 | 配当利回り | 業種 | 最低投資額 |
---|---|---|---|---|
2768 | 双日 | 4.9% | 商社 | 35,100 |
8002 | 丸紅 | 4.5% | 商社 | 78,480 |
4005 | 住友化学 | 4.1% | 化学 | 51,600 |
4188 | 三菱ケミカルHD | 4.5% | 化学 | 87,630 |
5020 | JXTG HD | 4.3% | 石油 | 52,110 |
8306 | 三菱UFJ FG | 4.3% | 銀行 | 58,250 |
8411 | みずほFG | 4.4% | 銀行 | 17,160 |
出所:楽天証券スーパースクリーナーより筆者作成 金額単位:円 |
上記リストは、業種(商社、化学、石油、銀行)別に、色分けしています。上記より、複数の投資銘柄を選ぶ際、特定のセクターに集中せず、さまざまなセクターに分散投資した方が良いと思います。
欧米の相場格言に、「1つの籠に、すべての卵を入れるな」があります。これは、投資において分散投資が重要という意味です。1つの銘柄、同じ業種の銘柄に集中せず、さまざまな業種に分散すべきと思います。
三菱UFJ・みずほと、銀行が2つ入っています。私は、銀行に投資するならば、海外で収益を拡大させている3メガ銀行に限定すべきと考えています。日銀の低金利政策でダメージを受け、収益悪化が長引く地方銀行には、投資すべきでないと考えています。
3メガ銀行では、三菱UFJ FGとみずほFGのほか、三井住友FG(8316)も、予想配当利回りが4.5%と高く、投資魅力は高いと考えています。ただし、三井住友FGは、最低投資金額が約40万円と大きいので、上記リストには入りません。3メガ銀行の中で比較すると、海外収益拡大で先行する三菱UFJの魅力が一番高いと判断しています。
丸紅・双日は、総合商社です。丸紅は、今期(2020年3月期)の純利益(会社予想)が前期比3.9%増の2,400億円と、3期連続で最高益を更新する見通しです。双日は、今期(2020年3月期)の純利益(会社予想)が前期比2%増の720億円と、2期連続で最高益を更新する見込みです。ともに、資源事業の利益低下を、非資源事業の拡大によってカバーしています。
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