老後2,000万円不足に向けて資産形成するなら?

 足元では、金融庁の金融審議会による報告書『高齢社会における資産形成・管理』が話題になり、「老後資金2,000万円不足」が独り歩きしています。これはあくまでも平均値で、人生や個々で、老後どれくらいの資産が必要になるかも人それぞれです。2,000万円の貯蓄がなければ老後破綻するということではないし、逆に1億円あっても足りないという人もいるでしょう。そもそも人生、お金ではありません。「資産があること」と「幸せであること」は別です。

 金融庁は、今回の報告書をきっかけに、資産形成について国民の意識が高まり、自助努力を含めた具体的な行動につながっていくことを期待していますので、この機会に自らの資産形成について、どのような人生であれば自分は幸せだと思えるかも含め、もう一歩踏み込んで考えてみてはいかがでしょうか?

 では、資産形成についての話を進めていきましょう。報告書の中にも「長期・積立・分散投資の有効性」が記載されていますが、この方法が資産形成の王道と言えるでしょう。ただし、「長期・積立・分散投資」をしていればうまくいくのかというと、実際はそう簡単ではありません。計画通りになることを邪魔する要因は「自らの心理」です。資産運用で人の心理はうまくいかないようになっている、だからこそ、その心理にあらかじめ気付いておく必要があり、その心理に支配されないことが重要だと考えています。