声明文の変更点

 まず「辛抱強く」という、これまでの表現は削除されました。これはFRB(米連邦準備制度理事会)が機動的に動けるように下ごしらえする意味があると思います。

 また今回の政策金利の決定は全員一致ではなく、パウエル議長になって初めて、1名が反対票を投じました

経済に対する見方

 米国経済の70%を占める消費はしっかりしており、失業率も低いです。従って「全体としてベースラインの経済指標はおおむね強い」とパウエル議長は強調しました。

 しかしその一方で、米国以外の国々の経済には陰りが見えているし、貿易の問題は相変わらず不透明感をもたらしています。これらの要因は最近、さらに見通しが険しくなっているがあります。

 こういったことを総合すると、どちらかといえば遅きに失するよりも早めに動いた方が良いという考えがFRB内に広がっています。これをパウエル議長は「予防は治療に勝る(An ounce of prevention is worth a pound of cure」という言葉で表現しました。