買えなかった株を調整局面で買うこともある

 そしてもう1つ、筆者にとって重要な投資行動があります。それは、突然の株価急騰で買いそびれた銘柄が、株価調整により押し目をつけている局面で買うというものです。

 例えば今年4~5月の決算発表シーズンにて、それまで下降トレンドだった銘柄が、決算発表をきっかけに株価急騰となり、買うことができなかったというケースがありました。

 原則として、筆者は25日移動平均線からのプラスかい離が5%以内でないと買わないというルールを設定していますが、決算発表の数値が良ければ、朝から大幅な買い気配となり、プラスかい離が5%を大きく上回ってしまうこともしばしば見られました。

 一方で、相場全体が調整局面になると、そうした株価急騰銘柄も同じように株価が下がってきます。その結果、25日移動平均線からのプラスかい離が5%以内に収まってくるものも出てきます。そうなると、新規買いができる水準となり、実際に買っていきます。

 その結果、株価がそこから反発して上昇に転じれば「保有継続」し、株価が反発せずに値下がりを続け、25日移動平均線を割り込んだら「売却」をします。

 決算発表で株価が急騰した銘柄は、好業績で強い銘柄ということができます。それが押し目を作って移動平均線からのかい離が小さくなったのならば、これは新規買いの重要な機会となるでしょう。

 

割安株の買い仕込みについて筆者の考え方

 ところで、個人投資家のブログなどを拝見すると、株価調整局面で割安と思われる株を買い仕込んでいる方が結構見受けられます。株式投資の正解は複数あるため、この戦略が正しい、正しくないと言うつもりはありません。

 ただ、筆者からすると、それはやはりリスクが高い行為と感じる時があります。その理由は2つあります。

 1つは、株価が下がっている途中、つまり下降トレンドの途中で買うことになるからです。株価下落が一時的かつ、浅いものであれば構いませんが、大きな下落ともなれば、買った株がさらに大きく下落して多額の含み損を抱えてしまう可能性もあります。

 もう1つは、自分自身が「割安だと思っている」株が、本当は割安ではない可能性もある点です。現に足元で株価が値下がりしているわけなので、本当に割安なら株価はそこまで下がらないのではないか、という捉え方もできるわけです。「割安な株価」よりも「実際に売られて株価が下がっているという事実」を、筆者は重視しています。

 この点については非常に重要な論点なので、別の機会に詳しく触れていきたいと思います。