日経平均の反転時期は6月下旬から7月か

 米中貿易摩擦の長期化懸念を背景とする米国株安と為替の円高で、日経平均は節目とされた2万1,000円を割り込む軟調となりました。令和元年入り早々の下落で外部環境悪化を相当織り込んだ感もありますが、目先は神経質な展開が想定されます。ただ、日経平均の予想PER(株価収益率)は約11.8倍、PBR(株価純資産倍率)は1.06倍まで低下するなど割安感は強くなっており、一段の下げ余地も限られそうです。

 図表1は、米ダウ平均、ドル円相場、日経平均の過去1年推移を示したものです。5月以降の米国株安と為替の円高・ドル安が日本株を押し下げた状況がわかります。日本株は、値幅調整を経て日柄調整に入ると考えられます。4月26日付けレポート「Sell in Mayの不安? アノマリーは繰り返されるか」の図表1でみる通り、過去20年の平均で日米株式は5月に下落した後、6月から7月にかけいったん底入れした傾向がみられます。

 6月末の大阪G20(主要国首脳会議)で米中首脳会談が実施される可能性があり、国内では7月に参院選挙(もしくは解散総選挙)が実施される見込みです。直近の世論調査によると、与党の支持率は野党を圧倒しており、「選挙は株高」となりやすい状況です。あくまで相場タイミングを巡る目算ではありますが、日柄調整に季節性を勘案するイメージで、「6月下旬から7月が相場の反転時期」と考えています。

図表1:米国株、為替、日本株は連動性が高い

出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2019年5月29日)