老後が迫る40代の毎月の貯金額はどのくらいが適切なのか、気になる人も多いでしょう。今回は厚生労働省の調査データをもとに、40代の毎月の貯金額について考察します。ぜひ、あなたのライフプランの参考にしてください。

 老後のことを考えて貯金を行おうとしても、総額でどのくらい貯金すればよいのか?毎月の生活を考えるとどのくらい貯金するのが一般的か、悩む人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、厚生労働省が平成28年に実施した調査データをもとに、老後が迫る40代の毎月の貯金額について考察してみました。ぜひ、ご自身のライフプランの参考にしてください。

 

40代の貯金額の現状

 まず、厚生労働省の統計資料『平成28 年 国民生活基礎調査の概況』をもとに40代の貯金額の現状について紹介します。

貯蓄額、借入額の平均

 統計によると、40代(40~49歳)の1世帯当たりの平均貯蓄総額は652万円です。調査対象全体の平均が1,031万5,000円なので、その65%ほどという計算になります。50代では全年齢の平均を超える1,049万6,000円、60代では各年代トップの1,337万6,000円が平均貯蓄額となっています。

 一方、借入額を見ると、40代の平均金額は862万1,000円です。いちばん借入金額が高いのは30代ですが、その額は865万7,000円ですから、ほぼ変わらないといってよいでしょう。30代から40代にかけてマイホーム購入などでローンを組む人が多いことがうかがえます。ちなみに、50代になると581万6,000円に減り、さらに60代では251万9,000円へと、ぐんと減っていることがわかります。

 このようにして見ると、40代は、ある程度の貯蓄はあるものの、それ以上の借入金があるという実態が浮かび上がってきます。

参考資料:『平成28 年 国民生活基礎調査の概況』
※数値に熊本県のデータは含まれていません。

毎月の平均貯蓄額

 40代の人が毎月平均どのくらいの金額を貯蓄に回しているのかは、性別や職種、家族構成によっても変わるので一概には言えませんが、手取りの10%程度を貯蓄に回す人が多いようです。コンスタントに貯蓄していけば総額は増えていくはずですが、『平成28 年 国民生活基礎調査の概況』によると、そうはなっていません。40代で「貯蓄が増えた」と答えた人は、40代全体の18.1%にとどまっています。逆に減ったと答えた人が33.9%、変わらないと答えた人は39.6%です。

 貯蓄が減ってしまう原因として一番多かったのが、「日常生活への支出」で、61.3%を占めています。次いで「入学金、結婚費用、旅行等の一時的な支出」が36.0%です。40代は、中学、高校、大学などの学費も含め、子どもへの教育費がいちばんかかる時期でもあります。その分、毎月の生活費にしわ寄せがきているということなのかもしれません。

参考資料:『平成28 年 国民生活基礎調査の概況』
※数値に熊本県のデータは含まれていません。