ファーウェイに対する規制

 トランプ米政権は米中貿易戦争を一層エスカレートさせる形で、中国通信機器大手ファーウェイに対し、2つの規制を打ち出しました。

 まず1つ目の規制はファーウェイの通信機器を米国の通信会社が購入することを大統領令で禁じました。ただし、元々、米国の通信会社はほとんどファーウェイのネットワーク機器を使用していないため、この発表のインパクトは小さいです。

 2つ目は、ファーウェイに対し、米国のハイテク企業が製品やソフトウェアを輸出する際の規制を設けました。これは、商務省に「輸出してよろしいか?」とお伺いを立て、許可が出なければ輸出してはならないという輸出規制です。これは光学部品や半導体関連の一部メーカーにかなり影響が出ます。

影響を受ける見込みのメーカー

銘柄 製品 ファーウェイ比率
ネオフォトニクス(NPTN) 光学エレクトロニクス 46%
ルメンタム(LITE) 光学部品 11%
インファイ(IPHI) 高速アナログ/ミックスト・シグナル半導体 14%
クォルボ(QRVO) 化合物半導体 12%
クアルコム(QCOM) RF半導体 10%
ザイリンクス(XLNX) FPGA半導体 アジア45%
スカイワークス(SKWS) アナログ半導体 10%

利益警告 

 上記メーカーについて、具体的にその影響を確認していきます。

 既にネオフォトニクス(NPTN)は5月23日の決算発表の際、第2四半期の売上高予想をこれまでの8,800万~9,300万ドルから7,500万~8,000万ドルへと下方修正しました。

 ルメンタム(LITE)も6月期の売上高ガイダンスをこれまでの4.05億~4.25億ドルから3.75億~3.9億ドルへと引き下げました。

 インファイ(IPHI)も6月期のガイダンスをこれまでの8,6800万~9,080万ドルから8,230万~8,630万ドルに引き下げました。

 クゥオルボ(QRVO)は6月期の売上高ガイダンスをこれまでの7.8億~8億ドルから7.3億~7.5億ドルに下げました。

 ザイリンクス(XLNX)は決算のカンファレンスコールの中で、ファーウェイが今回のような措置が取られることを見越し、在庫の積み増しをしていた形跡があることを説明しました。