6月の株主優待銘柄

 令和の時代が始まって2カ月目となる6月優待は6月25日(火)が優待権利付き最終日になります。権利獲得には25日の取引終了から翌26日(水)の優待権利落ち日までの株式保有が必要です。

 6月優待は107社あり、すかいらーくHDや日本マクドナルドHDなど魅力的な外食系優待が充実しています。また、日本たばこ産業(JT)やホンダ、あおぞら銀行など、配当利回りが3~5%超の好配当株も人気上位に食い込んでいます。優待株投資では、単なる優待狙いだけでなく、高額な配当金も期待できる一石二鳥の資産形成型投資もポピュラーになってきています。(※楽天証券「株主優待検索」5月22日時点

 そんな6月優待の人気No.1は「すかいらーくHD」。ガスト、ジョナサン、夢庵、バーミヤンなどを全国に3,209店舗(3月末)も展開 する日本一のファミレスチェーンです。6月末と12月末の年2回、100株以上の保有で各3,000円相当の株主優待カードが贈呈されます。300株以上保有すると6月末の優待が9,000円相当、さらに12月末の優待は1万1,000円相当と増額され年間2万円相当と、よりお得に。50万円を超える投資になりますが、頻繁に同社の店舗を利用する人は300株の保有も考えたいところです。

 人気第2位となったJTは、配当利回りが現状6%を越える好配当株としても有名です。その優待内容は、6月と12月の年2回、100株で1,000円相当、200株で2,000円相当の自社グループ商品(ご飯詰め合せ、カップ麺、ご飯詰め合せ、200株以上だとスープ、調味料詰め合せ)などからの選択制になっています。 同社の業績は海外、特に新興国でのタバコ販売に左右されるため、為替市場における円高の進行が株価の大敵になる点には注意が必要です。

 第3位は多くの優待ファンにおなじみの日本マクドナルドHDの食事券優待です。バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの商品引換券6枚つづりの冊子が、6月と12月の年2回、100株保有だと各1冊贈呈されます。 同社は2016年12月期以降、業績が急回復中なこともあり、株価は2016年の安値2,215円から2倍以上、上昇 。いまや、100株買うのに50万円前後の高額資金が必要になりました。

 逆にいうと、業績が不振だった頃から同社を信じて長期保有してきた優待投資家は、お得な優待食事券を年2回もらえたうえに、株価も2倍以上になり、まさに「優待投資家冥利に尽きる」成功体験を味わえました。

 人気の高い3社に続く第4位は、自動車メーカーのホンダです。3%を超える配当利回りや100株以上保有していると優待回数が3・6・9・12月の年4回もの優待があります。自社施設で利用可能な優待券やオリジナルグッズがもらえるクルマ好きやホンダ車愛好家にはたまらない優待内容になっています。6月末時点の株主には、Hondaカレンダー、工場など事業所視察会、レース・イベントへの招待(いずれも応募制)の特典があります。

 第5位にランクインしたのはカゴメです。今回からは年2回ではなく、6月末株主に限り、100株以上の保有でトマトジュースなど2,000円相当の自社商品詰め合わせが贈呈 されます。これまでは年2回、各1,000円相当でしたが、輸送コストの上昇もあり、年1回にまとめて贈呈という形になりました(半年以上の継続保有も条件)。また10年以上、カゴメ株を保有している株主に対して、継続保有期間10年を迎えた年1回に限り、自社オリジナルの記念品が贈呈されることになりました。

 カゴメといえば2001年、株主優待黎明期にいち早く制度を導入したり、お土産やイベント満載の楽しめる株主総会を開催するなど、優待株ブームの一翼を担う企業です。優待開始当初6,500名程度だった個人株主はいまや17万人超。 長期保有10年の節目に、いったい、どんな記念品が贈られるのか、その内容が楽しみです(2019年6月までに発表予定 )。

6月、12月の年2回優待獲得を視野に安値で仕込む

 6月は12月期決算企業の中間期でもあり、6月と12月の年2回優待企業が107社中、63社とかなり多いのが特徴です。注:楽天証券「株主優待検索」より

 特にすかいらーく、日本マクドナルド以外にも、居酒屋の三光マーケティングフーズ、お弁当のホットランド、ステーキのペッパーフードサービス、ブロンコビリーなど外食系優待の大半は年2回優待。頻繁に利用するお店の優待は短期売買を繰り返して獲得するより、長期保有して毎年2回、継続して優待を取得したほうが手数料も手間もかかりません。「セル・イン・メイ(株は5月に売れ)」で、もし株価が下がっていたら、6月のみならず12月の年2回優待を視野に、人気の外食系優待株を安値で仕込むのもいいでしょう。

 ちなみに、今回の6月優待は優待権利確定日の3営業日前が優待権利付き最終日になる最後の月になります。7月16日(火)の約定分からは「株券等の決済期間短縮化」が実施され、株の決済期間が従来の3営業日後から2営業日後に変わるので、7月以降は注意が必要です。