REIT型ETFを活用して分散投資ポートフォリオを
日本のREITでも海外(外国)のREITでも個別銘柄への投資を検討するには、銘柄ごとの財務、損益、業種、地域(商業用不動産の立地)に関わるリスクを分析する必要があります。
そこで本稿では、REIT市場全体への幅広い分散投資を比較的低コストで手軽にできるETF(上場投信=インデックスファンド)をご紹介したいと思います。REITは株式と異なり、値上がり益を過度に期待するべき投資商品ではないと考えています。REIT市場に連動を目指すETFと株式投資を組み合わせ、ポ-トフォリオ(金融資産)全体のリスクを抑制できる可能性が肝要です。
楽天証券では現在、東証上場ETFのうち85銘柄に限り「売買手数料0円(無料)」のサービスを提供しており、そのうち7銘柄が日本や海外のREIT市場に連動を目指すETFとなっています。図表3は、これらETFについて運用総額が大きい順(降順)に一覧したものです。
J-REIT(日本の各種REIT指数)に連動を目指すETFは5銘柄、米国REITと海外REIT(日本を除く先進国REIT)に連動を目指すETFは2銘柄あります。それぞれの一口当り取引価格の1年リターン(分配金を除く)が、TOPIX(日本株式)を大きく上回ってきた実績がわかります。
今年に入り、米国のFRB(米連邦準備制度理事会)や欧州のECB(欧州中央銀行)はハト派(金融政策正常化の停止)に転じ、内外の債券金利は低位で安定しています。日本では景気が鈍化傾向である一方、消費税率引き上げ(10月)を控え、日本銀行も当面は緩和的な金融政策を維持するものとみられます。利回り面で相対的に魅力があるREIT市場は、当面も底堅い動きを続けると考えています。
REITに分散投資できる東証上場ETF(一覧)
コード | ETFの名称 | 分散投資 対象 |
運用 総額 |
取引 価格 |
取引 単位 |
1年前比 | 運用 経費率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1343 | NEXT FUNDS 東証REIT指数連動 | 東証REIT | 3,223 | 2,034 | 10 | 11.1 | 0.32 |
1476 | iシェアーズ・コアJリート | 東証REIT | 1,898 | 1,957 | 1 | 11.6 | 0.16 |
1597 | MAXIS Jリート上場投信 | 東証REIT | 1,333 | 1,953 | 10 | 11.4 | 0.25 |
2517 | MAXIS Jリート・コア上場投信 | 東証REITコア | 342 | 1,123 | 10 | 10.6 | 0.25 |
1660 | MAXIS高利回りJリート上場投信 | 高利回りJREIT | 103 | 10,210 | 1 | 11.0 | 0.25 |
1659 | iシェアーズ 米国リート ETF | 米国REIT | 22 | 2,117 | 1 | 13.3 | 0.20 |
2515 | NEXT FUNDS外国REIT・S&P先進国 | 日本除く先進国REIT | 14 | 1,033 | 10 | 10.0 | 0.17 |
参考 情報 |
東証REIT指数(国内REIT平均) | 1,915 | - | 11.3 | - | ||
TOPIX (国内株式市場平均) | 1,538 | - | -14.6 | - | |||
※ETFの名称一部は略称 ※各項目の単位= 運用総額:億円 取引価格:円 取引単位:口数 1年前比:% 運用経費率:% 注1:楽天証券では上記ETFの売買手数料は0円(無料)です(5月17日現在)。 注2:上記ETFは運用総額の降順に並べた一覧です。 注3:年初来騰落率は「取引価格」の騰落率であり、「NAV(基準価額)」の騰落率と一致しないことがあります。 注4:上記は参考情報であり、特定のETFを推奨するものではありません。 出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2019/5/16) |
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