NT倍率の急上昇が意味する物色変化
今週は日経平均が節目とされていた2万2千円を上抜け5日続伸しました(17日)。米国市場でフィラデルフィア半導体株指数、S&P情報技術(IT)株指数、ナスダック100指数は史上最高値を更新。中国の景況感改善を受け、東証の日経中国関連株指数も年初来高値を更新しました。こうしたなか、「NT倍率」の急上昇が注目されています。
NT倍率とは、日経平均をTOPIX(東証株価平均)で除した倍率で、日経平均がTOPIXより優勢に推移すれば上昇、劣勢となれば低下します(図表1)。日経平均は225銘柄の単純株価平均(除数により修正)、TOPIXは時価総額加重平均の株価指数として知られています。TOPIXは東証1部上場全銘柄(約2,120銘柄)で構成されているため、国内産業全般を象徴する株価指数とされ、機関投資家のベンチマーク(目標)として使われることが多くなっています。
ただ、「値がさ株」と呼ばれる株価水準が比較的高いハイテク(IT)関連や外需関連の上昇率が大きくなると、日経平均はTOPIXに対し優勢となる傾向があります。4月18日現在、年初来騰落率で比較すると日経平均は+10.4%、TOPIXは+8.1%となっており、NT倍率は約13.7倍に上昇。1980年以降のレンジ(10~14倍)上限に近付いています。NT倍率上昇を受け、「日経平均は買われ過ぎ」や「TOPIXは出遅れ過ぎ」との見方が出ています。