決算発表後の調整は「売られすぎ」、利益・受注ともに2桁成長見通し

現地コード 銘柄名
01186

中国鉄建股フン有限公司

(チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)

株価 情報種類

 9.39HKD
(5/10現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 中国鉄建の株価は最近大きく調整し、19年予想PERで5.6倍まで下げたが、BOCIは売られすぎとの見方。19年の利益成長率と新規受注がいずれも10%台の伸びを示す見通しを示した。また、投資家に対してディフェンシブなインフラ建設銘柄の買い増しを推奨し、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

 3月に発表された18年12月本決算が弱かったことで、本土系の主要インフラ銘柄は最近、軒並み大きく下落した。通期決算が予想から下振れた一因は、財務費用の増大。ただ、BOCIは19年の財務費用の増加率について、増収率とほぼ同じペースに落ち着くと予想。引当金計上額も正常化するとみて、19年の利益成長率が本来のレベルを回復する見通しを示している。同社経営陣は利益、新規受注ともに、前年比10%台の伸びを目指す方針。事業タイプ別では、都市鉄道建設の新規受注が前年比50%増、長距離鉄道建設が20%増を達成するとみている。一方、住宅建設・都市公共事業の新規受注は前年(24.8%増)比で減速する見通しという。19年1-3月期時点では、同社全体の新規受注は前年同期比6.3%の伸びにとどまったものの、年末までの3四半期にわたって加速する見込み。なお、同社は最近、新規受注の強化に向け、子会社経営陣を対象とした新たなインセンティブ制度を導入している。

 現時点では、米中通商摩擦が早期決着する可能性は後退しており、今後はインフラ投資の重要性が増す見込み。預金準備率の引き下げや実質利下げなども、インフラプロジェクトの履行を後押しする可能性が高い。

 4月2日のメディア報道によれば、同社は傘下の重機製造部門をA株・科創板にスピンオフ上場させる計画。重機部門の主力製品は地下鉄工事用のトンネルボーリングマシンをはじめとするトンネル関連機械で、早ければ6月後半にも上場する予定という。BOCIは工業銘柄のA株株価が通常、H株株価に対してプレミアム水準にあることに言及した上で、トンネルボーリングマシンというハイテク事業はただでさえ高バリュエーションに値すると指摘。このスピンオフ計画が、香港株式市場における同社の再評価につながる可能性があるとしている。

 このところの調整を受け、同社株価の19年予想PERはわずか5.6倍まで低下した。BOCIは短期的にディフェンシブ銘柄にシフトするよう投資家に助言するとともに、インフラ銘柄の買い増しのタイミングが到来したと指摘している。また、利益および新規受注の増加見通しやスピンオフの可能性が支援材料になるとみて、同社の目標株価(19年予想PER8.0倍に相当)を現行水準に据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、地方政府によるプロジェクト履行状況が減速する可能性を挙げている。