17年中間期に実質2桁増益、国内の天然ガス需要の伸びが追い風に

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00135

昆侖能源有限公司
(クンルン・エナジー)

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 昆侖能源の2017年6月中間決算は、純利益が前年同期並みにとどまったが、減損損失を除外した場合のコア利益は前年同期比14%増。中国国内での急速な需要増を背景に、天然ガス関連事業が軒並み好決算を達成したことが寄与した。BOCIは今後も、国内の天然ガス消費の伸びが、サプライチェーンの各所において同社の追い風になるとの見方。17-19年の予想純利益を1-3%増額修正し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中間期純利益は前年同期比横ばいの24億1900万元だったが、LNGプラント(広東省肇慶)向けの減損1億元、売掛債権向け減損3億2900元を除外した場合のコア利益は同14%増の27億4400万元。5事業部門のうち3部門が好決算を達成した。個別に見ると、まず天然ガスパイプライン部門は輸送量の同15%の伸びを受け、純利益が同9%増の19億1300万元と堅調。部門売り上げは同8%増とややさえなかったが、BOCIによれば、輸送料金の実質的な低下が影響したもよう。ほかに、LNGターミナル部門の純利益は同230%増の3億1300万元。ペトロチャイナ(00857)とのLNG長期供給契約の追加を受け、取扱量が同90%増えたことが寄与した。

 天然ガス販売部門の税引き前利益は同35%減の10億2900万元。販売量は同12%増の128億8000万立方メートルに達したものの、調達費用を含むコスト高が痛手となった。BOCIは未収金関連の減損3億2900万元がこの部門から発生したとみている。ガスのタイプ別では、都市ガス販売量が同18%増の54億4000万立方メートル。自律成長に加え、雲南省の新規プロジェクト2件の始動が販売量を底上げした。一方、LNG貨物車向けの販売増を受け、LNG販売量は同52%増の21億立方メートルに達した。

 LNG加工部門では赤字が拡大し、中間期の税引き前損失は前年同期比40%増の4億元に達した。ただ、肇慶プラント向け減損1億元を除けば、部門赤字は5%の小幅増。BOCIによれば、経営効率化に向けた努力やLNG販売の伸びを受け、加工プラントの稼働状況は明らかに改善した。7プラントの平均稼働率は中間期に推定71%と、前年同期比で42ポイント大きく上向いたという。また、採掘・生産部門は原油高を背景に持ち直し、中間期に黒字転換した。

 BOCIは予想PBRとROE分析をベースに同社の目標株価を算出しているが、今回は17年の予想ROEを13.6%に設定した上で、基準となる17年予想PBRを従来の1.42倍から1.59倍に引き上げた。これに伴い、目標株価を上方修正し、株価の先行きに対する強気見通しを維持している。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、陝西-北京パイプラインの輸送料の大幅値下げ、LNG加工プラントを対象とした減損損失積み増し――などの可能性を挙げている。