「働き方改革関連法」施行で注目されるホワイト企業
2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行されています。同法は、長時間労働の常態化や過労死、非正規労働者に対する不合理な待遇差など、労働環境問題の是正がねらいです。
この施行前から、職場環境が整っていて長時間労働や過度なノルマがなく、さらに年収も高いといった働きやすい「ホワイト企業」が注目されてきました(対義語は「ブラック企業」)。
そのホワイト企業として以前より注目されている企業が、岐阜県本社の重設資材メーカー「未来工業(7931・東証1部)」です。『日本一社員が幸せな会社』としてメディアで取り上げられることがしばしばあります。
- 完全年功序列人事
- 全員正社員(約830名)
- 年間休日140日+有給休暇40日
- 残業禁止
上記の方針で同社は1965年の設立以来(業績のアップダウンはあるものの)黒字経営を続け、2018年12月には東証1部への昇格も果たしています。
ホワイト企業の投資先をどう選ぶ?
ホワイト企業とされる要素には「職場環境が快適で勤務スタイルも柔軟」「人事評価に社員が納得している」「ワークライフバランス(仕事もプライベートも充実している状態)を実現している」「年収が比較的高い」などが挙げられます。しかし、抽象的なものやそれぞれの価値観に左右されるものも多く、一言で定義するのは難しそうです。
その中において「年収」に関しては具体的な数字で測ることができるため、分かりやすいものです。日本の上場企業における平均年収が高額な企業の例として以下の企業があります(全体ランキングではない、カッコ内は社員平均年齢、データは『会社四季報』による)。
- キーエンス(6861・東証1部) 2,088万円(35.9歳)
- 三菱商事(8058・東証1部) 1,540万円(42.7歳)
- ヒューリック(3003・東証1部) 1,636万円(39.8歳)
- 伊藤忠商事(8001・東証1部) 1,460万円(41.6歳)
- 三井物産(8031・東証1部) 1,419万円(42.1歳)
- ファナック(6954・東証1部) 1,347万円(41.5歳)
もちろん「高額年収企業=ホワイト企業」ではないものの、要素を一部満たしていることには違いなく、企業を評価する際のモノサシのひとつとなるものと考えています。10万円で投資できる企業の中にも「隠れ高額年収企業」と言える銘柄があります。