セブン&アイHDの投資魅力が一番高いと判断
セブン&アイの前期(2019年2月期)純利益は、最高益更新でした。国内コンビニが伸び悩みましたが、海外(米国)の成長が加速しています。事業セグメント別の営業利益を見ると、国内コンビニ事業は2,467億(前期比0.6%増)と伸び悩みましたが、海外コンビニ事業が922億円(同16.7%増)と大きく伸びました。
2020年2月期も同じ傾向が続きます。海外コンビニ事業の成長によって、わずかながら最高益更新を予想しています。なお、国内コンビニ事業は成長性が低下したとは言っても、セブンプレミアムなどのヒット商品を持ち、平均日販や収益性で他のコンビニを凌駕しています。
コンビニ3社の中では、セブン&アイが一番、投資魅力が高いと判断しています。以下の通り、同社の今期(2020年2月期)予想PER(株価収益率)は16倍と株価バリュエーションに割高感なく、長期投資に有望と考えています。
コンビニ大手3社の株価バリュエーション:4月15日現在
コード | 銘柄名 | 株価 【円】 |
PER 【倍】 |
配当 利回り |
最小 投資額 【円】 |
---|---|---|---|---|---|
3382 | セブン&アイHD | 3,877.0 | 16 | 2.5% | 387,700 |
8028 | ユニー・ファミリーマートHD | 2,920.0 | 30 | 1.4% | 292,000 |
2651 | ローソン | 5,370.0 | 30 | 2.8% | 537,000 |
出所:各社決算短信より作成。PERは、4月15日株価を今期1株当たり利益(会社予想)で割って算出。配当利回りは、今期1株当たり配当金(会社予想)を株価で割って算出 |
ユニー・ファミリーマートHDは、株価がやや割高
ユニー・ファミマも、前期に次いで今期も、純利益で最高益更新を予想しています。それは、ユニーとファミリーマートの統合効果が、出続けることによります。ユニー傘下にあった「サークルK」や「サンクス」は、全店をファミリーマートに転換。転換後に、販売が大きく伸びる効果が、純利益での最高益更新に寄与しています。また、大手スーパーのユニーは、ドンキホーテへの転換を進めています。転換店で増収効果が発揮されています。
ところが、統合効果が続くことは、株価にかなり織り込み済みと考えています。統合効果を好感して、株価は既に上昇しており、今期の予想PERは30倍と株価に割安感はありません。
国内コンビニに吹く逆風はユニー・ファミマも受けています。統合効果が出尽くした後に、成長を牽引するドライバーが見当たりません。したがって、現時点の株価水準では投資魅力は乏しいと判断しています。