世界株式堅調の背景に業績見通し底入れ
米国を中心に世界株式が堅調である要因として、欧米の金融政策がハト派に転換したことに加え、1-3月をボトムに業績見通しが改善に向かうとの見方が広まってきたことが挙げられます。米アトランタ連銀が発表するGDPナウキャスト(目先の実質成長率見通し)は、一時+0.17%まで低下(3月12日)しましたが、3月下旬以降回復し、直近は+2.27%となっています(4月8日)。
1~3月期の米国の経済成長率は、大寒波や政府機関の一部閉鎖の影響もあり「ゼロ成長(もしくはマイナス成長)」入りを危惧させましたが、4月5日に発表された雇用統計(3月)が示した通り、個人消費を支える雇用情勢は米経済の底堅さを印象付けました。
米ゴールドマンサックスは10日、向こう4四半期の間に景気後退に陥る確率を(従来の「20%前後」から)「10%強」に引き下げました。また、年後半に向けた中国景気の底入れ期待を反映し、上海総合指数は年初来で約3割上昇し、52週高値を上抜けました。
図表2は、世界株式と世界市場ベースの「業績見通しリビジョン(修正)指数」の動きを示したものです。米中貿易摩擦などの行方にいまだ警戒感は拭えませんが、マイナス幅(上方修正-下方修正)は縮小傾向で、昨秋以降の業績見通し下方修正が一巡しつつあることがわかります。
換言すると、景気後退や業績底割れを悲観した株価が、業績底入れを予見して回復に転じていると言うこと。「相場は常に将来を先読みしようとする」との特徴を象徴するかのようで注目したいと思います。投資家は、「悲観していたほど悪くならない」とのイメージを、今後発表される経済指標、決算発表、業績見通しで確認していくことになります。
図表2:業績見通しの底入れ感が世界株高の支え
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