18年本決算は17%増益、増産とコスト削減で19年も利益成長持続へ

現地コード 銘柄名
01171

エン州煤業

(ヤンジョウ・コール・マイニング)

株価 情報種類

 8.54HKD
(4/2現在)

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 エン州煤業の18年12月本決算は、純利益が前年同期比17%増の85億8,300万元に達した(国際会計基準)。BOCIは石炭価格が19年に小幅に下落すると予想しながらも、生産量の増加や単位当たりコストの低減が一段の利益成長に寄与するとの見方。また、向こう3年にわたり、フリーキャッシュフローが年間100億元を超えるとの予測を示した。同社株は4月1日に前営業日比11%急伸したが、BOCIは低バリュエーションを理由に、一段の上値余地を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年の好決算を支えたのは、傘下のカ澤能化(カはくさかんむりに河)およびヤンコール・オーストラリア(03668)の収益成長に加え、17年9月に買収した豪Coal & Alliedが通期フルに寄与したこと。全体の石炭販売量は前年比18%増の1億1,390万トンに達し、うち自社生産分が20%増の9,360万トンだった。全体の販売価格は前年比9%高。単位当たりの生産コストは同6%の上昇率だった。

 同社は19年に石炭の自社生産量を前年比7%増の1億トンに引き上げる計画で、主に増産を見込むのは操業を開始して間もない内モンゴル自治区の炭鉱3カ所。中でも有望なのが石拉鳥素(Shilawusu)炭鉱で、商業生産再開に向けた当局認可が19年4-6月にも下りれば、生産量が倍増する見通しという。BOCIは石拉鳥素炭鉱の単位当たりコストが前年比約50%低下すると予想し、粗利益の9億元の上乗せを見込んでいる。

 向こう3年のフリーキャッシュフローについて、BOCIは年間100億元を超えるとの見方。これにより、バランスシートの改善がさらに進むとみている。実際、同社は19年中に、有利子負債を100億元減らす方針。18年末に41%だった純負債比率(ネットDEレシオ)は、21年末に15%まで低下する可能性が高い。

 一方、同社は2月、スタッフ499人を対象にA株のストックオプション(新株予約権)を実施した。行使価格は9.64元。全額行使された場合には新株4,632万株が発行されることになり、これは発行済み株式総数の約0.94%に当たる。

 BOCIは石炭価格に関する想定値を引き上げた上で、19-20年の予想純利益を18-37%増額修正した(国際会計基準)。新たな予測に基づく同社H株の19年予想PERはわずか3.4倍。19年の予想配当利回りは10.2%の高水準となる。

 BOCIはセクター全体に対する評価の後退を反映させる形で、H株目標株価の算出基準を「18年予想PBR(株価純資産倍率)1倍」から「19年予想PBR0.8倍」に変更。これに伴い、目標株価を引き下げた。一方、A株に関しては、算出基準を「18年予想PBR1.6倍」から「19年予想PBR1.4倍」に変更しながらも、逆に目標株価を上方修正。H株、A株の双方に対し、強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、石炭価格の急落や予想外のコスト増を挙げている。