主力製品好調で18年通期に36%増益、19年以降の成長見通し楽観

現地コード 銘柄名
01530

三生製薬

(スリーエスバイオ)

株価 情報種類

 14.80HKD
(3/22現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 三生製薬の18年12月本決算は、売上高が前年比22.7%増の45億8,400万元、純利益が同36.5%増の12億7,700万元に達し、BOCIの予想をそれぞれ1%、20%上回った。純利益の上振れは主に、一部株式投資の再分類に伴う評価益計上によるもの。BOCIはEPO(エリスロポエチン)、TPO(トロンボポエチン)、抗TNFの各分野で国内市場をリードする生物製剤フランチャイズを持つことなど理由に、同社が今後も収益成長を維持するとの見方。18-21年の増収率、増益率がそれぞれ年平均16.6%、14.7%に達すると予想し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年の業績拡大を支えたのは、「基本医療保険適用医薬品リスト(NRDL)」への自社製品の採用や医療機関のカバー範囲の拡大など。主力製品の中では、がん化学療法などに用いられる「特比澳TPIAO」の売り上げが18年下期に前年同期比72%増(上期も71%増)。これが糖尿病薬や化学製品など非中核製品の伸び悩みを補った。TPIAO、関節リウマチ治療薬の「益賽普Yisaipu」、慢性腎臓病治療薬の「益比奧EPIAO」および「賽博爾SEPO」といった中核製品の売上高はそれぞれ前年比71%増の16億7,000万元、10%増の11億1,100万元、5%増の8億9,700万元。対照的に非中核製品の売上高は1%増の8億2,200万元にとどまり、売上構成比は18%だった。一方、Ascentage Pharma株投資の再分類に伴う2億100万元の評価益を除いた場合、18年通期の純利益は10億7,600万元。ほぼBOCIの予想(10億6,200万元)通りの数字となった。

 19年に予想される支援材料は主に以下の通り。【1】19年7-9月期に予定されるNRDLの改定。がん化学療法に伴う貧血治療を用途とするEPIAOや、2型糖尿病向けのGLP-1受容体作動薬「百泌達Byetta」「百達揚Bydureon」、さらに尋常性乾癬治療を用途とするYisaipuなどがNRDLに新たに採用される可能性がある、【2】 Her2 MAb抗体のInetetamab (302H)について、7-9月期の当局認可取得と発売が見込まれる、【3】ベバシズマブ・バイオシミラー(バイオ後続品)SB8の治験認可が下りる可能性がある。

 18年下期には、前臨床段階にある腫瘍治療薬候補が3つ増えた。その1つは提携先の韓国サムスンバイオエピスが開発したSB8で、残る2つは二重特異性モノクローナル抗体(BsMAb)。現時点で、同社のパイプライン(新薬候補)は生物製剤が22種、低分子化合物10種を数える。

 BOCIは18年、19年の収益見通しを0-2%小幅に修正。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づき、目標株価を引き上げた。新たな目標値は19年、20年の予想PERでそれぞれ24倍、20倍(希薄化後EPSベース)の水準となる。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは研究開発・パイプライン関連のリスクやM&Aをめぐる不透明感を挙げている。