19年もファンダメンタルズ好調持続、下期に陽江・台山の新原発が稼働へ

現地コード 銘柄名
01816

中国広核電力

(CGNパワー)

株価 情報種類

 2.13HKD
(3/15現在)

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 BOCIは向こう数年にわたり、中国広核電力のファンダメンタルズの好調が続くとみている。クリーンエネルギーの比重拡大を目指す自国政策に加え、現在の市場環境が追い風になるとの見方。設備容量が拡大する中、稼働時間数が高水準を維持する見通しを示した。電力販売量の想定値の引き上げに伴い、19-20年の利益見通しを8-10%増額修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIは19年の発電量について、前年比10%増の1,740億kWhを見込み、新規プラントの貢献や電力需要の堅調、地域を跨いだ送電がより容易になったことなどを理由に挙げた。19年には、前年5月と12月に商業運転を開始した陽江5号機、台山1号機が通期でフル貢献する運び。さらに下期には陽江6号機、台山2号機が稼働する予定であり、総容量はこれに伴い27.1GWに拡大する。BOCIは設備容量が増加する中、19年の稼働時間数が7,500超を維持するとみている(18年は7,554時間)。

 力強い電力需要や顧客側の冷静な対応を受け、“市場価格”販売枠の電気料金のディスカウント幅は19年に縮小する可能性が高い。例えば広東省における平均価格のディスカウント幅は1MWh当たり43.44元と、18年の65.5元から縮小。同社利益を底上げする見通しとなった。

 米国が18年10月、原発輸出政策の枠組みを発表した後、マーケットは陸豊(広東省)プロジェクトの準備作業での偶発損失の発生を懸念している。ただ、BOCIは仮に政府当局が同プロジェクト(先進の加圧水型原子炉AP1,000を採用)の建設を認可した場合、こうした懸念は払拭され、同社のバリュエーションが回復する可能性が高いとみている。

 一方、18年本決算後に開かれた同社の定期ミーティングに出席したBOCIは、以下のような情報を得たと報告している。◇陽江6号機と台山2号機プロジェクトでは燃料充填段階に向けた準備が進行中で、それぞれ7-9月期、10-12月期に商業運転を開始する予定。◇台山やその他G3原発の電気料金に関する政府認可はまだ下りていないが、通例からみて、稼働開始から数カ月後に下りる見込み。BOCIはより保守的な視点から、台山の電力価格想定値を1kWh当たり0.48元から0.453元に下方修正した。◇陸豊のAP1000プロジェクトの単位当たり設備投資は、ローカル化率の高さなどから、同業他社の先例を下回る見込み。こうしたコスト低減により、同社G3プロジェクトのIRR(内部収益率)改善が期待できる。◇経営陣は配当性向の下限を33%に維持する方針であり、実質増配となる可能性が高い。

 BOCIは同社株価に対する強気見通しを継続。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、稼働時間数や台山プロジェクトの電気料金が予想を下回る可能性を挙げている。