18年本決算はポジティブサプライズ、19年の設備投資は580億元規模に

現地コード 銘柄名
00762

中国聯通(香港)

(チャイナ・ユニコム(ホンコン))

株価 情報種類

 9.63HKD
(3/14現在)

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 チャイナ・ユニコムの18年12月本決算は、純利益(少数株主利益を差し引く前)が前年比454%増の103億元と、BOCIの予想および市場コンセンサス予想をいずれも大きく上回るサプライズとなった。同社は19年も、4Gネットワーク投資を継続するとともに、ユーザー体験の拡充に焦点を当てる方針。BOCIは力強い利用状況の伸びや値下げ競争の緩和を理由に、モバイルサービス収入の一段の拡大余地を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年通期の純利益はBOCIの予想を14.4%上回る水準。同時に市場予想から大きく上振れた。総サービス収入は5.9%増の2,637億元。モバイルサービス収入が5.5%増、固定回線サービス収入が6.5%増となり、いずれもBOCIの事前予想を上回った。

 19年の設備投資計画は580億元と、18年実績の449億元を上回る水準。これにより、ネットワーク効率の向上とカバーエリアの拡大を目指す。設備投資予算のうち、5G向けは60億-80億元。最大の項目はL900基地局20万カ所の増設であり、新たに振り分けられた900Mhz帯域の2×5Mhzスペクトラムの優位性をフルに活用し、地方部や都市部のビル屋内などをカバーする。L900基地局においてはネットワーク設定上の柔軟性を確保するため、ソフトウエア無線(SDR)技術を用いるという。BOCIは高クオリティーの4Gネットワークの構築においては、L900への投資が極めて重要になるとの見方だ。これで2G、3G、4Gの再配置という点で柔軟性が高まり、長期的な効率改善や投資リターンの上昇につながると指摘。高質の4G網が将来設置される5G網とも共存するとみている。次世代5Gに関しては、同社は新たなアプリケーションの試験運用に向け、19年中に主要3-4都市の市街地に2万-3万の基地局を設置する予定。BOCIは革新的なビジネスモデルの構築が5Gのカギになるとの見方。同社経営陣が通信以外のパートナーとの提携に積極姿勢を示していると報告している。

 一方、19年のマーケティング戦略の焦点は、ネットワークの帯域幅の拡大。政府当局の要求に沿ってモバイルデータサービス料の20%値下げを進める中、モバイルネットワークにおけるユーザー体験の向上を目指す。1GB(ギガバイト)当たり売上高は18年に前年比59%減の4.9元。19年上期の段階ではローミング料金廃止による影響が残るものの、下期にはモバイルサービス収入の増加ペースが加速する見通しという。

 BOCIは19年、20年の予想EPSを6.1%、2.5%上方修正ながらも、設備投資に関する想定値を引き上げ、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を維持。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、政府当局の通信料金規定の見直しによる収益へのマイナス影響を挙げている。