株価見通しが当たらなかったらどうなるのか?

 こうお話しすると、「だいたい当たるなら、参考にすればよいのでは?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。大事なのはここからです。もし、この株価見通しが当たらなかったら一体どうなるのかをよく考えなければなりません。

 もし日経平均株価が2万1,500円で頭打ちにならずに、ここから2万5,000円や3万円に向かって上昇続けたならどうでしょうか。大きな利益を得るせっかくの機会をふいにしてしまうことになります。

 でも、株価上昇を逃すならまだましです。実際に損失を被っていないからです。危ないのは、株価がそれほど下がらないと他の方がコメントしているにもかかわらず、株価が大きく値下がりしてしまうことなのです。

 2018年10月や12月の株価急落時は、大方の予想はことごとく外れていました。ここまで株価が短期間に値下がりすると予想できた人は皆無でした。

 大方の予想は基本的には平時の予想です。いつ株価が急騰し、いつ株価が急落するかを予想するものではありません。一方、利益や損失が大きくなるのは株価が大きく動くときです。そのタイミングを予想することはできないのですから、逆に予想を過信することは危険なのです。

 

株価を予想するのではなく株価についていくという発想を

 大きな利益を得る機会を逸するのも、大きな損失を被ってしまうのも、「株価が大きく動いたとき」です。そして、いつ株価が上下に大きく動くかを事前に予想することは残念ながらできません。ですので、そもそもの発想を変えて「株価を予想してもあまり意味がない。それならば株価についていこう」と考えれば良いのではないでしょうか。筆者が25日移動平均線を超えたら買い、割り込んだら売りとしているのは、まさにこの「株価についていく」という発想に基づくものなのです。

 思えば2012年11月中旬からはじまったアベノミクス相場でも多くの人々が「この株価上昇は長続きしない。持ち株は早く売るべきだ」と考える中、25日移動平均線を超えた銘柄を買い、割り込むまで保有を続けた結果、大きな利益を得ることができました。

 2018年10月や12月の株価急落も、多くの人が「6年続けてそうだったように今年も年末の株価は高くなる」と予測していたのを一切気にせず、25日移動平均線を割り込んだ保有株を淡々と売却していきました。その結果、もちろん多少の損失は被りましたが、致命傷には至らず無事乗り切ることができました。

 個人投資家は株価の急変が起こると誰かに頼りたくなってしまうもの。でもそうではなく、ルールを決め、株価についていくという習慣をつけていれば問題ありません。これからもみんなの予想がことごとく外れる局面が訪れるはずです。

他人に頼るのをやめ、自分で判断し、行動するようにしてくださいね。