R&D投資で技術的進歩、政府補助金への依存度低減へ

現地コード 銘柄名
00257

中国光大国際

(チャイナ・エバーブライト・インターナショナル)

株価 情報種類

 7.80HKD
(2/21現在)

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 BOCIはこのほど、中国光大国際のプロジェクトの現場を訪問。その結果、研究開発(R&D)への長期投資が今後の競争力のカギを握るとの見方を改めて強調している。また、同社が進める技術主導型のWTE(廃棄物発電)に関しては、発電効率の改善により、政府補助金への依存度がこの先軽減すると予想。結果的に国内業界全体の集約化が進む見通しを示した。目標株価を据え置くとともに、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 傘下の中国光大水務の直近決算を見ると、18年10-12月期の純利益は前年同期比19%増、18年通期利益は前年比32%増と、いずれもBOCIの予想の範囲内だった。10-12月期の粗利益率は34%でほぼ横ばいだったが、為替差損や重複上場計画に絡むコスト増を受けて一般管理費が膨らみ、純利益に多少影響した。ただ、年初からの元高を受け、19年1-3月期には為替損益が差益に転じる可能性が高い。

 BOCIはこのほど、江蘇省南京市にある中国光大国際のR&Dセンターを訪れたが、発電効率の一段の向上が見込めるとして、自社製ストーカ式焼却炉(火格子炉)を高く評価。こうした技術的進歩が結果的に、政府補助金への依存度を軽減するとの見通しを示した。短期的にWTE部門の電力価格が調整される可能性は低いと前置きしながらも、業界最先端を行く同社の技術に言及し、「グリッドパリティ(再生可能エネルギーの発電コストが既存の電力コストと同等かそれより安価になること)時代」に最も近いWTE企業であると指摘している。また、仮に当局がこの先、電気料金を調整しても、既存プロジェクトがその適用対象になる可能性は低いとし、既存事業の収益力には影響しないとの見方を明らかにしている。

 安徽省鳳陽県にある同社のバイオマス発電所はすでに、法人顧客向けの蒸気販売を開始した。この施設を訪問したBOCIは、コジェネレーション(電力・熱など2つのエネルギーを同時生産)型バイオマス・プロジェクトのほうが、純発電プロジェクトよりキャッシュフローの点で優れると評価。ただ、実際には営業キャッシュフローの改善に向けては、再生可能エネルギー補助金リストに載るかどうかがより重要になるという。

 一方、同社経営陣によれば、19年の設備投資計画は30億HKドル規模。うち20億HKドルを地方の汚水処理プロジェクト、10億HKドルを総合水環境リノベーション・プロジェクトに当てる。買収機会も引き続き模索する方針という。

 BOCIは成長見通しや技術主導型の効率化期待といった点から、同社を高く評価し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、設備容量の拡大ペースが予想を下回る可能性、営業利益率が予想を下回る可能性を挙げている。