買ってみたい投資信託が増えている
──アクティブファンドは、ニッセイアセットマネジメントの「げんせん投信」と、レオス・キャピタルワークスの「ひふみ年金」を保有しているようですが、どちらも主に日本株を対象とするファンドですよね。
インデックスファンドは世界株式を中心に保有していますが、僕が期待している市場はやっぱり日本なんです。だから、日本企業には元気になってもらわないと困ります。そういう意味で、日本の成長企業を組み込んでいるアクティブファンドにも投資しています。
──アクティブファンドの場合は何を基準に選ぶのですか。
1つは運用方針です。例えば「ひふみ年金」を運用・販売しているレオス・キャピタルワークスは、日本の成長企業に投資することで日本経済の発展に寄与するといった理念を掲げています。そうした高い志をもって運用しているファンドは応援したくなるし、買ってみたいと思います。
──どんな銘柄が組み込まれているかも大事ではないですか。
おっしゃる通りです。正直、良さそうな銘柄を適当に放り込んだようなファンドも存在します。でも僕としては、ファンドマネージャーが選びに選び抜いた銘柄だけで構成されたファンドに長い目で託してみようと思っています。
──今も個別株がメインとはいえ、インデックスファンドやアクティブファンドの割合は増えてきているんですよね。
はい、前は3割もありませんでした。
───その理由は?
1つは本業が忙しくなったためです。個別株だとある程度、時間や労力をかけなければなりません。保有銘柄の決算などをチェックする必要がありますし、次に主力になりうる銘柄を探すことも大事です。それに比べてインデックスファンドやアクティブファンドはしっかりと仕組みができていて、安心して持っていられるのでラクなんです。
──そこは投資信託の良さですね。
はい、だからあまり労力をかけたくないという人には個別株より投資信託が向いていると思います。投資信託だけでも大丈夫と思っています。
──2つ目の理由は?
ひと昔前は買ってみたいと思うような投資信託が少なくて、あまり魅力的には思えなかったんですが、最近はずいぶん変わってきました。インデックスファンドに関しては商品ラインナップがかなり広がったし、信託報酬などのコストもずいぶん下がりました。一方、アクティブファンドもレオス・キャピタルワークスや鎌倉投信など個性的な運用会社が増え、いろんな商品を買えるようになりました。
──投資信託の魅力が増していると?
それは間違いないでしょう。
──では、ご自身も投資信託の割合がさらに増えそう?
そこは難しいところです。個別株と投資信託、どっちが面白いかといったら、僕にとっては断然、個別株です。銘柄選びも楽しいし、株価が上がったときのわくわく感は何物にも代えがたいです。
──趣味か実益かの問題ですね(笑)。
どっちが大事かといったら明らかに「実益」なんですが、楽しみの部分も少しは残したいなと。今後もどちらか1つに絞るのでなく、両方バランス良く続けていきたいと思いますが、投資信託の割合が増えていきそうです。