──ちなみに業種へのこだわりはありますか。

 特にありません。製造業からサービス業まで幅広く投資しています。ただ、意識して避けている業種はあります。1つは金融関連。自分の知識ではいい会社かどうか、伸びるかどうか、判断がつかないので手を出さないようにしています。僕にはちょっと荷が重いというか(笑)。あと土木関連、農林水産関連も避けています。

──尾上さんは土木業界出身ですよね。自分がよく知る土俵で勝負する手もあるのでは?

 たしかにそうなんですが、土木業界っていろいろと複雑で難しいんです(笑)。農林水産関連も気候の影響を受けるなどやっかいなので、ヘタに手を出さないほうがいいかなと思っています。

──では、比較的多いのは?

 やっぱり製造業ですね。真面目にモノづくりに取り組んでいる企業に投資しておけば大ケガはしないだろうという思いがあるんです。実際、これまでも小さいケガはあっても大ケガはなかったと思います。

 

通勤電車で株価をチェックするのが日課

──具体的にどんな銘柄に投資してきたかお伺いできますか。例えばアベノミクスで大きく稼いだときの主力銘柄は?

 いろいろあります。日本電産のグループ会社でさまざまな検査装置の開発・製造を手掛ける日本電産リード、中国や東南アジアを得意とする物流会社のエーアイテイー、九州を拠点にブライダルビジネスを展開するアイ・ケイ・ケイ、あとドラッグストアチェーンのココカラファインも主力でした。

──テンバガー、10倍になった銘柄もありますか?

 テンバガーはないですね。でも、3倍、4倍になった銘柄はけっこうあります。

──では、今現在の主力銘柄は?

 中古マンションの再生事業を展開するスター・マイカ、自動車や二輪車に用いる各種ホースを製造するニチリン、半導体デバイスの開発・製造を手掛けるトレックス・セミコンダクターといったところです。それと、先ほど話したエーアイテイーは今も主力の1つです。

──やはり製造業が多いですね。

 そうですね。特に今は多いかもしれません。でも、飲食チェーンや小売りチェーンの株を買うこともあります。

──だいたい何銘柄くらい持っているのですか。

 そのときにもよりますが、十数銘柄くらいです。中にはほんの少額というものもありますが。