米国上場ETFの「資金流入額ランキング」で検証

 米国市場では、ミューチュアルファンド(公募投信)と比べて信託報酬率が低いETF(上場投資信託)が機関投資家や個人投資家に注目されています。米国市場に上場されているETFは合計で約1,580本(ファンド)あり、時価総額が10億ドル(約1,100億円)以上のファンドは285本あります(2月5日)。投資対象は米国市場だけでなく、海外(米国にとっての外国)市場に分散投資するETFも多く、規模別や業種別に特化するファンドもあります。

 これらのETFをユニバース(銘柄母集団)にし、「年初来の資金流入額(5億ドル以上)」の降順に示した一覧が図表3です。

 年初来資金流入額ランキングで1位の「iシェアーズ・コアMSCIエマージング・マーケットETF」(IEMG))には、年初来で約47億ドル(約5,200億円)の資金が流入。

 2位の「バンガードS&P500ETF」(VOO)は、S&P500指数に連動した投資成果を目指すETFで、信託報酬率が0.04%と極めて低い(投資家にとり運用コストが低い)ファンドとして有名です。

 3位の「iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF」(EEM)や8位の「バンガードFTSEエマージング・マーケットETF」(VWO)も新興国株式に分散投資するETFです。

 6位には米国小型株に分散投資する「iシェアーズS&P小型株ETF(IJR)がランク入りしています。米国を中心とした大口投資家が「いまそこにある投資の好機」と判断して資金を投じている市場を知る上で参考にしたいと思います。

図表3:主な米国上場ETFを資金流入額でランキング

注:米国上場ETFのうち、時価総額10ドル以上のファンドを「年初来資金流入額(5億ドル以上)」の降順で表示。上記は個別のETFを推奨する目的のものではありません。
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2019年2月6日)

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