アップルが大好きなバフェットは、アマゾンに投資することができなかった

 バフェット氏は「自分が理解できないものには投資しない」考えです。ハイテク株やIT株に積極的には投資せず、コカコーラやアメリカンエクスプレスのような、事業が分かりやすい安定成長株を重視して投資してきました。

 したがって、米国株の上昇を牽引してきたGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)などのIT株では、アップル以外には積極的に投資してきませんでした。アマゾンは高成長期待から、いつでもPER(株価収益率)などの株価バリュエーションで高く評価されていたので、バフェット氏の投資意欲をかきたてませんでした。「なぜ、アマゾンを買わなかったのか」という投資家の質問に、彼は「自分は間違っていた」と素直に認めています。

 そのバフェット氏が大好きなのが、携帯電話などIT機器大手のアップルです。安定成長が続いている割に、PERなどの株価バリュエーションで割安に評価されていたからです。

 アップルは、これまでの成長を牽引してきたハード(iPhone)の成長余地が小さくなってきたことから、最近はPERで10倍台の低い評価に甘んじています。ただ、バフェット氏はアップルがハードではなく、音楽配信や決済などのサービス事業で成長し始めていることに注目しています。

 バフェット氏がアップル好きなのは、「高成長は見込めなくても、安定成長を期待するPERの低い株だから」と、考えられます。つまり、成長を見ながらバリューも見る手法にぴったり合っているわけです。