降雨増で水力発電の稼働状況改善へ、配当性向引き上げも支援材料に

現地コード 銘柄名
02380

中国電力国際発展

(チャイナ・パワー・インターナショナル)

株価 情報種類

 1.98HKD
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 水力発電施設の稼働状況の改善を受け、BOCIは中国電力国際の採算性が18年下期に回復した可能性を指摘している。また、同社経営陣が配当性向の引き上げ方針を明らかにしたことが、この先、同社株価の回復を後押しすると予想。19年予想PBR(株価純資産倍率)0.7倍をあてはめて目標株価を小幅に上方修正し、株価の先行きについても強気見通しに引き上げた。

 BOCIの分析によれば、同社が主に水力発電施設を置く湖南省(全体の57%)、貴州省(同29%)の月間平均降雨量は、18年下期にそれぞれ前年同期比45%増、5%増。これにより、稼働状況の改善が期待できる状況となった。過去のデータを見る限り、同社の水力発電部門の稼働時間数は、湖南、貴州両省の降雨量の変化によって左右される傾向が強いという。BOCIはこれを受け、水力部門のEBIT(利払い・税引き前利益)マージンが18年に52%に達し、石炭火力部門の5%を大きく上回ると予想。また、水力部門はキャッシュフローの点でも、風力発電、太陽光発電部門を上回るとみている。なお、湖南、貴州省では続く19年年初の降雨状況も良好。BOCIは年初から24日間の降雨量がヒストリカル平均値を上回ったと報告している。

 一方、同社経営陣は1月21日、配当政策を変更し、配当性向の下限を25%から50%に引き上げると発表した。実際の配当性向は09-17年の累計で45%に達しており、新たな配当性向下限は過去の実績とそう変わらないものの、投資家に対してはポジティブなメッセージ。BOCIはこれがバリュエーションの回復につながるとみている。

 同社は18年12月に、総額4億2,900万元に上る3社の資産取得を完了した。続く19年には認可を獲得し次第、さらに2社の買収を完了する可能性がある。BOCIによれば、18年に取得した広西チワン族自治区の水力発電資産を含む一連の取引は、19年通期決算にフルに寄与する見通しという。

 BOCIは19年予想PBR0.7倍をあてはめて目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。現在株価の19年予想PBRは0.55倍、同予想配当利回りは7%と、魅力的な水準にあるとしている。

 一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは、◇19年の水力発電設備の稼働時間数が予想を下回る可能性、◇石炭調達価格が予想を上回る可能性および電気料金引き下げの可能性を挙げている。