セクター概観

銀行セクター

 これまでに決算発表を済ませた企業を見ると、銀行セクターは、個人や中小企業を相手にした商業銀行部門が好調だったものの、証券業務を行う投資銀行部門は、債券トレーディングが低調で各社苦戦しました。とりわけ買いたくなるような銘柄はありませんでした。

半導体セクター

 半導体セクターではテキサス・インスツルメンツ、インテル、ザイリンクスなどが決算を済ませていますが、ザイリンクスだけが良い内容でした。

▼テキサス・インスツルメンツ

 第4四半期決算はEPSが予想1.24ドルに対し1.27ドル、売上高が予想37.5億ドルに対し37.2億ドル、売上高成長率は前年同期比-0.9%でした。

 第3四半期から見られ始めた需要の減退は第4四半期も続き、特にスマホ向け半導体が弱い結果に。卸業者は米中貿易戦争で在庫を取ることに対し用心深くなっており、自動車向け半導体、工業向け半導体も需要が減退しました。

▼インテル

 第4四半期決算はEPSが予想1.22ドルに対し1.28ドル、売上高が予想190.2億ドルに対し186.6億ドル、売上高成長率は前年同期比+9.4%でした。

 CCG(PCセントリック・ビジネス)売上高は+10%の98億ドル、DCG(データ・セントリック・ビジネス)売上高は+9%、IoTG(インターネット・オブ・シングス・グループ)売上高は-7%でした。

 第1四半期のEPSは、予想1.01ドルに対し新ガイダンスでは87セントが提示されました。売上高は、予想173.8億ドルに対し新ガイダンス160億ドルが提示されました。これらはとても弱い数字です。

▼ザイリンクス

 インテルに対して、ザイリンクスは素晴らしい決算でした。同社はFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ)と呼ばれる半導体を作っています。同社の第3四半期(12月期)決算は、EPSが予想86セントに対し92セント、売上高が予想7.7億ドルに対し8億ドル、売上高成長率は前年比+33.6%でした。
 データセンターならびにTME(テスト計測&エミュレーション)ビジネスが前年比+14%成長しました。 加えてコミュニケーション部門が+41%成長しました。これは5G向け需要によります。

  インテルのPSG部門(=旧アルテラ・コーポレーション)からマーケットシェアを奪っていると思われます。 第4四半期に関しては予想83セントに対し新ガイダンス92~99セントが、売上高予想7.76億ドルに対し新ガイダンス8.15億~8.35億ドルが提示されました。