解散価値といわれるPBR1倍を大きく割り込む銘柄が増えている

 不動産セクターには、業績好調で、含み益が拡大しているにもかかわらず、株価が上がらないため、株価が、解散価値といわれるPBR1倍を割れる銘柄が多数あります。

 賃貸不動産に大きな含み益があるのは、不動産会社ばかりではありません。電鉄、倉庫など、さまざまな業種に「含み資産株」があります。

 直近の決算期末で、賃貸不動産の含み益が1,000億円を超えている30社は以下の通りです。

賃貸不動産に含み益1,000億円以上を有する30社

出所:各社、直近決算期の有価証券報告書または決算短信より、楽天証券経済研究所が作成
注:直近決算とは、東京建物・ヒューリック・サッポロHDは2017年12月期、イオン・高島屋・東宝は2018年2月期、その他は2018年3月期

 

 このような含み資産株には、含み益を考慮した実質PBRが1倍を大きく割れる銘柄が多数あります。実質PBRについては、後段で説明します。まずは、銘柄データをご覧ください。

実質PBRが0.73倍以下の30銘柄:実質PBRが低い順に配置

出所:各社、直近決算期の有価証券報告書または決算短信より、楽天証券経済研究所が作成
注:実質PBRは、1月28日の時価総額を実質純資産で割って計算。実質純資産は、各社の純資産に不動産含み益の7割を加えたもの

 まったく不人気となってしまった「含み資産」株ですが、実質PBRが低すぎる銘柄は、いつか見直されることを期待して、少し買ってみても良いと思っています。

 安田倉庫(9324)京阪神ビル(8818)三菱倉庫(9301)住友倉庫(9303)三菱地所(8802)三井不動産(8801)イオンモール(8905)などに注目しています。