そこで、米国株(NYダウ平均株価)の状況についても見ていきます(図2)。
■(図2)NYダウ(週足)とMACDの動き(2019年1月25日取引終了時点)
週足チャートで見たNYダウは先週末時点で、3カ月間の値動きの中心線とされる52週移動平均線のところまで株価を戻してきており、今週の米国企業決算を受け、ここを上抜けできるか、それとも跳ね返されてしまうのかが、焦点になります。
今週のローソク足が52週と26週の2本の線をまたいで上昇すれば、「二本抜け」となり、上昇の期待が高まる形になります。
さらに、下段のMACDを見ると、MACDとシグナルがクロスしており、0ドルラインに向けて中期的に戻り基調が継続するかどうかという、大事なタイミングでもあります。
同様に、中期的に見た日本株はどうなのでしょうか? 図3は日経平均の週足チャートです。
■(図3)日経平均(週足)とMACDの動き(2019年1月25日取引終了時点)
13週移動平均線の下方向への傾きが緩やかになり、下げ止まり感が出始めているほか、NYダウと同様にMACDとシグナルのクロスが実現しており、上方向への意識が強まっている形となっている点は明るい材料です。
また、線形回帰トレンドでは、大きく下抜けてきたマイナス2σ水準まで値を戻しており、ここを上抜けてトレンドの流れに復帰するのか、それともこのマイナス2σの線で跳ね返されてしまうのかというところに位置しています(図4)。
■(図4)日経平均(週足)との線形回帰トレンド(2019年1月25日取引終了時点)
ただし、今週は国内外の企業決算だけでなく、米FOMCや米中の通商協議、EU離脱代替案の英国議会での採決など、とにかくイベントが多いのが厄介です。
多くの材料がポジティブで上値を追っていく展開もあれば、ネガティブ材料が続いて下値を探る展開もあるでしょう。そしてポジティブとネガティブのプラスマイナスゼロであまり動かない展開と、それぞれのイベントを受け、トータルでポジティブなのかネガティブなのかを差し引きしながら、相場のムードが決定されることになります。
チャートの形は悪くはないものの、値動きの想定はほぼ「何でもアリ」のため、柔軟な対応が求められる週になりそうです。