複数の人のマネを組み合わせないこと!

 ところで、上手な人のマネをするときには注意点があります。マネをしたい投資家が2人いた場合、その2人の投資手法を組み合わせてマネしてはいけません。

 たとえうまくいっている個人投資家であっても、その投資手法は一人ひとり異なり、なかには、手法が完全に矛盾するケースもあります。

 たとえば、筆者と、筆者の投資家仲間である個人投資家Aさんでは、投資手法が大きく異なり、筆者がある銘柄を売却したタイミングで、Aさんは逆にその銘柄を新規に買っていることもあります。

 筆者とAさんの投資手法を同時にマネようとすると、同じ銘柄に対して、「買い」と「売り」、正反対の判断を下すことになります。これではまず間違いなく混乱するでしょう。

 まったく別のタイプのAさんとBさんという投資家のマネしたい場合は、たとえば投資可能資金を2つに分けて、一方はAさんの投資手法のみを、もう一方ではBさんの投資手法のみをマネて投資すればよいでしょう。

 しかし筆者としては、マネをする投資家は1人に絞ったほうがものにしやすいと思います。実際問題として、2人以上の投資家を参考にしている個人投資家は、なかなか成果を出せないようです。やはりどうしても矛盾が生じてしまい、混乱してしまうのだと思います。

暴落・急落を乗り越えた投資家をマネると無難

 もうひとつ、これだけは気を付けるべきと筆者が強く感じることがあります。それは、リーマン・ショックのような暴落・急落をしっかり乗り越えることができている投資家のマネをすべきということです。

 実は今、株式投資で大きな成果を上げている投資家の中には、2012年11月からスタートしたアベノミクス相場を機に株式投資を始めた、という人がかなりいます。

 こういった人たちは、株価の暴落・急落を経験したことがありません。今後、株価急落が起きたとき、大きく財産を減らしてしまうのではないかと感じざるを得ない投資手法をとっていることが多いのです。
 たとえば、中途半端な下げ局面での押し目買いや、保有株の株価が下落したときに売却せず保有し続ける、といった点です。

 このようなリスクの高い投資手法は、全体的に見て上昇トレンドにあるような局面では大きく利益を増やすことが可能です。しかし、相場全体が反転して、大きく株価が下落するような局面になると、逆に損失が大きくなってしまいます。

 より大きく利益を上げていても急落・暴落を経験したことのない投資家より、急落・暴落を浅い傷で乗り越えることができた比較的投資歴の長い投資家を参考にしたほうが、長い目で見て成功確率が高いと筆者は感じています。

 現在は数多くの個人投資家が、自らの投資手法を書籍・ブログなどで公開しています。自己流の株式投資で成果が出ないという方は、自分に合った個人投資家を見つけ、マネすることをお勧めします。