19年の運用機材大幅増で成長持続へ、航空機需要は依然旺盛

現地コード 銘柄名
02588

中銀航空租賃

(ビーオーシー・アビエーション)

株価 情報種類
 59.70HKD
(1/14現在)
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 中銀航空租賃はこのほど、18年10-12月期および通期の業務統計を発表した。それによると、18年には航空機55機の引き渡しを受ける半面、自社保有の34機を売却。これで年末の保有数は303機となった。続く19年には前年を上回る79機の引き渡しを予定する。BOCIは同社の平均時価総額が過去3年間、純資産価値を14%上回っている点を指摘。一部機材の売却についても、利益計上だけでなく、保有機全般の“若返り”につながるとして前向きに評価している(10-12月の平均機体年齢は3.0年)。また、世界の航空需要が依然旺盛な中、機体需要も引き続き高水準で推移すると予想。金利の上昇傾向にもかかわらず、同社の正味リース利回りが安定的に推移する見通しを示した。目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年10-12月には19機の引き渡しを受け、7機を売却した。18年通期の導入数55機は、もともと予定していた52機をやや上回る数字。航空機メーカーの製造ペースの改善が寄与したという。

 18年末現在、保有機材数は303機で、ほかに受託運営機材が25機。さらに10-12月時点で発注済みの機体数が183機に達し、7-9月の179機から増加した。18年には機材の純増数がわずか16機(5.6%)にとどまったが、19年には79機の引き渡しが予定されており、事業規模が大きく拡大することになる。

 一方、BOCIはリース利回りの上昇見通しを理由に、18年、19年に前年比26%、21%の増収を予想している。資金調達コストも段階的に膨らむ見通しだが、旺盛な需要を受け、その大半を顧客に転嫁することが可能との見方。機体受領数の増加を反映させる形で、19年の予想純利益を3%と小幅に増額修正した。

 BOCIが示した18-20年の予想値を見ると、売上全体の約90%を占めるリース・レンタル収入は前年比28%増、24%増、15%増。売上原価に関しては30%増、26%増、15%増を見込む。また、18-20年の予想増益率は前年比2%、15%、12%。特別要因を除外した経常ベースの予想増益率はそれぞれ、21%増の5億9500万米ドル、15%増の6億8400万米ドル、12%増の7億6600万米ドルになるという。このほか、保有機材の純資産価値については、19-20年に年率平均15%の伸びを予想している。

 同社を評価する上で、BOCIは「PBR(株価純資産倍率)-ROE(株主資本利益率)」モデルが最適との見方。19年予想ROEを15.0%から15.5%に修正するとともに(18年予想は14.9%)、ターゲットPBRを1.20倍から1.25倍に引き上げ、目標株価を上方修正した。◇米国の同業銘柄を上回るROE、◇高信用格付けを背景とする資金調達コストの低さ、◇運用機材の質の高さなどを前向きに評価。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。