ポンドの動きを見ると、ポンド/円はEU離脱協定案の投票前に140円前後から137.33円まで急落しましたが、その後は逆に買われ、再び140円台に戻す動きとなっています。
マーケットは基本「ブレグジット反対」なので、期間延長や2回目国民投票というニュースに対してはポンド買いで反応する傾向があります。逆にノーディール・ブレグジットには売りとなるようです。とはいえ、ポンドもどちらに進べきか迷っている状況で、決まるまでには大幅なボラティリティを覚悟する必要があるでしょう。
ブレグジット最大の争点となっているバックストップについて、ここで簡単に説明しておきます。
離脱協定で最大の争点となっているのが、北アイルランド(英国)とアイルランド(EU加盟国)との国境をどう管理するかということ。これがいわゆるバックストップ問題と呼ばれています。これは国境管理に解決策が見つからなかった場合のセーフティネットのようなもの。EU側は、北アイルランドとアイルランドの間に物理的な国境を作らず、北アイルランドを関税同盟に残す案を提案しています。
ところがそうなれば、同じ英国の北アイルランドとその他の地域が通商規制によって分断されることになります。さらに北アイルランド(英国)はEUの承認なしでは関税協定から脱退できなくなります。これを問題視するブレグジット強硬派議員らは、「ブレグジットの大義である英国のEUからの独立が永遠に失われてしまう」として、バックストップ条件の変更を要求しているのです。