インフラ投資強化で受注好調見通し、今後の再評価を予想

現地コード 銘柄名
03311

中国建築国際

(チャイナ・ステート・コンストラクション)

株価 情報種類
 6.64HKD
(1/9現在)
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 BOCIによると、中国建築国際は割安感の強いインフラ銘柄であり、18年、19年の予想PERは、中国鉄建(01186)との比較でそれぞれ18.6%、22.2%のディスカウント水準にある。同社はまもなく19年の新規受注目標を発表する予定だが、BOCIは19年も、前年比20%前後の伸びを維持するとの見方。永久債発行による負債比率の低下も受注獲得に寄与するとの見通しを示した。同業銘柄に対するバリュエーションのディスカウント幅がこの先、縮小するとみて、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国建築国際株の19年予想PERはわずか4.9倍にとどまっており、中国鉄建に対して22.2%のディスカウント水準に当たる。ただ、BOCIは政府のインフラ投資強化策による中国建築国際への恩恵は、同業銘柄と同等であるとの見方。現在株価のディスカウントに正当な理由は見当たらないとした。同社の18年の新規受注目標は前年比16.4%増の1200億HKドルだが、BOCIは目標達成を見込むだけでなく、上振れる可能性もあるとの見方(1217億HKドルを予想)。低バリュエーションにもかかわらず、新規受注の増加見通し、利益成長見通しの両面から、インフラ建設銘柄の中でも高水準にあると指摘している。最新指標を見ると、1-11月の新規受注は前年同期比11.8%増の1107億元。通期目標の達成率は92.2%だった。

 一方、マーケットは18年6月中間期のギアリング比率(負債比率)が60.7%に上ったことを懸念しており、同社は今後、親会社の要求に応じる形で、これを40%まで低減する方針。ただ、同社はエクイティファイナンスに対する懸念を考慮し、19年末まで増資は行わないと約束しており、今回は永久債発行による5億米ドル規模の調達を選択した。これにより、ギアリング比率は48%前後に低下する見通しという。新株発行増資よりEPS希薄化を抑制できる永久債発行は、インフラ建設大手にとってよくある資金調達手段となっている。

 中国人民銀行(中央銀行)による預金準備率引き下げの動きはインフラ投資の加速につながるとみられ、この点も同社に有利。BOCIは中国政府のインフラ投資強化策を受け、プロジェクト認可件数がさらに増えるとみている。

 同社の現在株価の18年、19年予想PERはわずか5.7倍、4.9倍に過ぎず、同業銘柄とのバリュエーション格差はこの先、短期的に縮小する可能性が高い。また、同社は例年1月に受注目標を発表するが、過去にはこれが何度も株価の支援材料となった。BOCIは利益見通しや目標株価を据え置き、目標までの上値余地を指摘。株価の先行きに強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、中期的にエクイティファイナンスに対する懸念が残る可能性を挙げている。