17年4-6月期決算が予想上振れ、全事業部門の好調で執行力に高評価

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騰訊控股
(テンセント・ホールディングス)

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 テンセントの2017年4-6月期の売上高、純利益(非GAAP)はいずれも、市場コンセンサス予想を上回った。オンラインゲーム、オンライン広告、決済、クラウドサービスなど各事業部門の業績が予想から上振れた。うちPCゲームはライセンス配信している「ダンジョン&ファイター」(中国語名:地下城与勇士、日本語名:アラド戦記)の人気などで4-6月期も好調を維持。オンライン動画広告部門では人気コンテンツの配信が好業績に寄与した。BOCIはすべての事業に関して、同社が強い執行力を発揮したと高く評価している。また、この先長期的には、既存事業の拡大と新規ビジネスの育成に向け、戦略的取り組みとしてのAI(人工知能)活用が寄与するとの見方。利益見通しの増額修正に伴い目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

4-6月期の売上高は前年同期比59%増、前期比14%増の566億元と、市場コンセンサス予想、BOCI予想をそれぞれ7%、8%上回った。非GAAPの営業利益は前年同期比36%増の200億元と、BOCI予想を7%上回る数字。純利益は同45%増の164億元で、市場予想、BOCI予想からそれぞれ12%、13%上振れた。

 市場は従来、テンセントのビジネスの多様性について、一部事業の不振を補い、業績悪化リスクを減らすヘッジの役割が期待できるとみてきたが、4-6月期決算ではすべての事業部門において執行力の高さが鮮明となった。BOCIはさらに、AIが長期的に、同社のマネタイズ(収益事業化)に寄与するとみている。

 4-6月期には、PCゲーム収入が前年同期比29%増の136億元と、BOCI予想の121億元から12%上振れた。また、オンライン広告収入は前年同期比55%増、前期比47%増の101億元。ブランド広告収入の好調を受け、BOCI予想を11%上回る水準に達した。スマートフォンゲームは前年同期比54%増の146億元と、ほぼBOCIの予想通りだった。

 BOCIはAI事業において、テンセントが同業他社とは異なる強みを持つとしている。技術力の高さや豊富な人材、ユーザー基盤の大きさ、さらにAIアプリケーションに関する複数の活用シナリオを持つ点などが同社の武器になるという。

 BOCIは17-19年の予想純利益を4-6%増額修正した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。一方、レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスク要因としては、主力のモバイルゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」が予想以上に早く成熟期入りする可能性、販売・マーケティング費の急拡大が利益率を圧迫する可能性――を挙げている。