「デジタル化」恩恵銘柄、国際通信や企業ソリューションが成長牽引へ

現地コード 銘柄名
01883

中信国際電訊集団

(シティック・テレコム・インターナショナル・ホールディングス)

株価 情報種類
 2.91HKD
(12/13現在)
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 BOCIは主力の通信事業をバックとした力強いキャッシュフローに加え、中国人海外旅行者の増加を受けたサービス需要の拡大、さらに国境をまたぐ企業ITシステムの需要増などを理由に、中信国際電訊の成長潜在力を高く評価。株価の先行きに対して強気見通しを示し、同社株のカバレッジを開始した。

 1997年に香港で創業した中信国際電訊は、アジア太平洋地区を代表する通信ハブの1社。香港にシティック・テレコムタワーや2つの大型データセンターを置き、マカオ唯一の総合通信キャリア、マカオテレコム(CTM)の株式99%を保有。さらに多国籍企業や通信キャリア向けにワンストップ型のICT(情報通信技術)事業を提供し、商品ラインはVPN(仮想私設網)やEPN(イーサネット専用線)、クラウド・コンピューティング、情報セキュリティー、高付加価値サービスなど広範に及ぶ。

 BOCIは18年12月通期の携帯端末販売収入を25億8,000万HKドルと予想しているが、このほかに、サービス収入が前年比8.5%増の68億8,000万HKドルに上るとの見方。国際通信サービスと企業向けソリューションがその牽引役となる見通しを示した。さらにマカオテレコムに関しては、安定的な収益貢献や国際化に向けたホームベースとしての役割が期待できるとしている。

 成長エンジンとして期待される国際通信サービスについて、BOCIは18-20年に年率平均22%の増収を見込む。企業から個人に送るA2P SMSや国際データローミングの人気の高まりが背景。また、もう一つの牽引役とみられる企業ソリューション事業に関しては、年率平均9%の増収を予想している。VPNやIDC(インターネット・データセンター)、IaaS(クラウドサービスの一形態)の提供により、顧客企業側は同社のデータセンター6カ所や130カ国の接続ポイントを活用し、国境をまたいだITネットワークを構築することが可能となる。

 BOCIはまた、マカオテレコムや新規の成長ビジネスの貢献で、同社が健全なキャシュフローを維持するとみている。この先、5Gの設備投資が必要になるとはいえ、国際通信サービスなどの売り上げ増でカバーし、長期的に配当性向65%を維持するとの見方。また、海外収入の多様性により、為替変動リスクも軽減できるとしている。

 BOCIは今回、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づいて目標株価を設定。現在株価の予想配当利回りの高さ(19年に6.5%)に言及するとともに、今後の中国5Gビジネスへの参入に伴う大幅な上値余地を指摘している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、◇サービス価格に関する規定強化の可能性、◇マクロ経済や消費の減速が中国人のアウトバウンドに影響する可能性を挙げている。