■(図2)日経平均(日足)とDMI(2018年12月14日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 DMIとは、相場のトレンドの有無と強弱を探ろうとするために生み出された指標で、3本の線で構成されています。上昇の強さを+DI、下落の強さを−DIで示し、トレンドの強さと継続性をADXが表しています。

 今回注目するのはADXです。ADXはその値が高いほどトレンドに強さと勢いがあることを示すのですが、足元のADXは低位での推移が続いていて、株価の値動きは荒い割にトレンドに方向感が出ていないことが分かります。今年の前半の展開でも、株価急落後のもみ合いから反発に転じる際にADXが低くなっていますので、最近のADXの低迷を前向きに捉えれば、日柄調整が順調に進み、次の展開に備えつつあると見ることができます。

 その一方で、同じ株価指数のTOPIX(東証株価指数)に目を向けると、こちらは先週に年初来安値を更新する場面があり、週足チャートで見ても、上値と下値が切り下がる形となっているほか、3本の移動平均線(13週・26週・52週)がそろって下向きのため、下落トレンド色が強まっています。

■(図3)TOPIX(週足)の動き(2018年12月14日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 日経平均の週足チャートでも、株価が52週移動平均線を下回っている展開が続いているほか、13週移動平均線が26週・52週移動平均線を下抜けるデッドクロスとなっています(下の図4)。

■(図4)日経平均(週足)の動き(2018年12月14日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 さらに、52週移動平均線も含めると3本の移動平均線の距離がとても近くなっています。14日(金)の取引開始時点で13週が2万2,416円、26週が2万2,461円、52週が2万2,412円ですので、TOPIXのように、日経平均も状況が悪化する可能性が高い点には注意が必要です。

 今週はクリスマス休暇で取引参加者が少ない中、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀会合などの金融政策イベントが控えていることや、ソフトバンクの上場など年末に向けてIPOラッシュとなります。よって、株価が反発するためには、もう少しガマンが求められることになりそうです。