本日の注目通貨
ドル/円:小動き
ドル/円は、引き続きレンジの中をサイドウォーク。安値は113.14円、上値は113.52円。(チャート1)
ユーロ/ドル:今夜ECB会合、ドラギ総裁の発言にも注目
ECB(欧州中央銀行)は今夜、今年最後の会合を開きます。
欧州を取り巻く環境は、この数カ月で厳しくなっています。イタリアの予算問題、フランスの全国デモなど、それぞれの国がそれぞれの問題を抱え、景気見通しの不透明感が深まりつつあります。最近の経済指標も元気がありません。またブレグジットを巡る混迷は、英国だけでなく欧州経済にとっても深刻な問題です。さらにトランプ大統領が仕掛ける欧州製自動車に対する追加関税が、ユーロの盟主ドイツを襲うことになります
今回の会合で、ECBは量的緩和を終了します。しかし、市場の混乱を抑えるために、保有債の償還金をより長期の債券に再投資することを同時に発表すると考えられています。TLTRO(期間が数年にわたる低金利の資金供給オペ)の再導入は見送りになりそうですが、来年には検討議題となる可能性があります。つまり、債券購入による量的緩和の終了後も、ECBは別のツールを使って緩和政策を継続するということになります。ECBの利上げは来年秋から冬と予想されていますが、後ずれリスクも排除できません。
それでも今夜の会見でドラギ総裁は、ユーロ圏の経済成長について楽観的な見通しを示すと思われます。もちろん、量的緩和終了を正当化するには強気姿勢でいるしかない、ということもありますが。
マーケットがユーロ対して弱気に傾き、年内中に年初来安値(1.1216ドル)を更新するとの見方も出ているなかで、ドラギ総裁の発言内容によっては、ユーロ/ドルが反発するリスクもあります。(チャート2)
ECBスタッフによる経済見通しの2021年度分が今回初めて発表されることもあり、今夜のECB会合は注目です。