2018年相場もいよいよ最後の月に入った先週の国内株市場ですが、週末12月7日(金)の日経平均終値は2万1,678円となりました。週足ベースで下落に転じ、前週末終値(2万2,351円)比では673円安、そして節目の2万2,000円台も下回ってしまいました。

「掉尾の一振(とうびのいっしん)」という相場格言があるように、12月の相場は年末株高に向けての期待が高まりやすい傾向にありますが、いきなり出鼻をくじかれてしまった格好です。相場のムードが決して明るいとは言えない中、テクニカル分析の視点で、今後の見通しのヒントになるものはないか、取引タイミングのポイントはないのかについて探ってみたいと思います。

 早速、足元の状況から確認します。下の図1は日足の日経平均チャートです。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2018年12月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

「アフター米中首脳会談」で迎えた先週の日経平均は、週初の12月3日に上昇でスタートしました。「窓」空けで75日移動平均線に乗せ、この日の高値(2万2,698円)は、11月8日の直近高値(2万2,583円)も超えてきました。前回のレポートでも指摘した通り、交渉が破談して貿易戦争が激化してしまうのを回避できたことと、来年1月に予定されていた2,000億ドル相当分の中国製品に対する関税率の引き上げを90日間猶予して時間を稼いだことについて、ある程度評価されたと考えられます。

 ただし、米中摩擦の長期化と先行きの不透明感の構図は変わっておらず、今回の会談結果を好感する買いは長く続きませんでした。さらに、米国債の長短利回りが逆転する「逆イールド」の状態が発生して米国景気のピークアウトが警戒されたり、中国のハイテク企業である華為(HuaWei)の幹部がカナダで逮捕されて、米中関係の悪化が懸念されたりするなどの悪材料が重なり、その後の日経平均は下げ足を速めてしまうことになりました。

 日経平均は75日移動平均線乗せから、今度は25日移動平均線の下抜けへと動き、また、下の図2のように、エンベロープで見ても、25日移動平均線のプラス3%水準からマイナス3%水準へと下げているほか、MACDも0円ラインを上抜けできずに下向きとなり、シグナルも下抜けてしまいました。11月下旬からの日経平均が「イイ感じ」で戻していただけに、相場の地合いがガラリと反転した印象です。

■(図2)日経平均(日足)エンベロープとMACD(2018年12月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成