通行料収入は堅調維持、18年通期に道路3本の譲渡益15億元を計上へ

現地コード 銘柄名
00548

碧桂園控股

(カントリー・ガーデン)

株価 情報種類
 7.61HKD
(11/29現在)
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 深セン高速道路の業務統計は10月も堅調を維持し、傘下の有料道路の1日当たり通行料収入は10月単月で前年同月比20.8%増、1-10月では前年同期比15.5%増加した。新たに加わった塩靖高速を除外した場合は、それぞれ7.7%増、3.5%増の伸びだった。一方、すでに予想されていた通り、深セン市当局は3年間の過渡期を経て、同社傘下の道路3本の運営権の回収を決定済み。これに伴い同社は18年12月期に総額15億2000万元の特別利益(税引き後)を計上する見通しとなった。また、梅林関(梅林チェックポイント)の不動産再開発事業は近く分譲を開始する予定で、BOCIはこれが、向こう2-3年にわたって同社の力強い利益成長を支えるとの見方。目標株価を据え置き、同社H株の先行きに対して強気見通しを継続した(A株に対しては中立的)。18年に10.3%、19年に6.6%に上る同社H株の予想配当利回りは魅力が大きいとしている。

 深セン市当局への運営権の譲渡が決まった有料道路は、南光高速、塩排高速、塩ハ高速。無料化計画に伴う措置であり、19年1月1日付で移管する。同社はこれで、3本の通行料収入を失う運び。17年の通行料収入は計7億3100万元(売上構成比15%)、粗利益は3億4500万元だった。なお、同社がこの3本の無料化計画で深セン市当局と合意したのは15年11月。16年2月以降の3年間は、道路権益を保有したまま管理やメンテナンスのサービスを提供し、深セン市当局から現金報酬を受け取る方式を採用していた。

 BOCIは3本の売却を反映させる形で、19年、20年の予想通行料収入を15.7%、15.0%下方修正。これに伴い、両年の予想売上高を14.4%、13.8%減額修正し、新たに52億7900万元、56億6500万元に設定した。純利益に関しては、売却益計上を織り込み、18年予想を76%増額したが、19年、20年に関しては3本の喪失を理由に、5-6%減額した。新たな予想純利益は21億1200万元、20億2400万元となる。

  一方、梅林関の不動産再開発プロジェクトは年内に分譲を開始する予定。第1期は延べ床面積11万5000平方メートル規模で、19年に3億2400万元の純利益計上が予想されている。このプロジェクト全体の敷地面積は9万6000平方メートルで、計48万6400平方メートル(公共エリアを含む)の住宅・商業スペースを開発する計画。BOCIはビジネスアパートと住宅部分について、売上高205億元を予想。純利益は41億元に上り、うち同社への利益貢献が14億元に上るとみている。19年の3億2400万元に続き、20年以降に総額11億元規模の計上が見込めるという。

 BOCIがSOTP(サムオブザパーツ)方式で設定したH株目標株価は、1株当たり予想NAV(純資産価値)に対して6%のディスカウント水準。不動産開発事業のスケジュールをめぐる不透明感をディスカウント率に反映させたという。一方、A株の目標株価は18年予想PERで11.6倍相当となる。