多額の繰越収益や土地取得の低コストを評価、19年の推奨基準に合致

現地コード 銘柄名
02007

碧桂園控股

(カントリー・ガーデン)

株価 情報種類
 9.38HKD
(11/20現在)
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 BOCIは土地取得コストの低さとバランスシートの健全性という2点において、碧桂園控股が19年の推奨銘柄の選択基準に合致するとしている。また、マーケットは中小都市部の不動産市況を過度に悲観していると指摘。中小都市の市況は今も大都市を上回るペースにあり、19年も安定推移が期待できるとした。同社の権益換算の物件成約額については、18年に5,000億元の目標をクリアし、前年比40%超の伸びを達成するとみている。BOCIはまた、18年末時点で、翌年度以降に繰り越す未計上利益が900億元に迫る点に着目。さらに18-19年の予想ROEが30%を超える点を考慮すれば、19年予想PBR(株価純資産倍率)1.1倍の現在株価は魅力的な水準にあるとした。株価の先行きに対して強気の見通しを付与している。

 19年1-10月の物件成約額は権益持ち分換算で前年同期比38.4%増の4,560億元。権益ベースであることを考慮すれば、同業銘柄の中でも最高水準に達した。残る11月、12月に月平均220億元をクリアすれば、通期目標の5,000億元を達成する計算。これは過去3カ月の月間成約額(同300億-400億元)を下回る数字であり、BOCIは目標を達成する可能性が高いとみている。この時点で、権益分限定ではない総成約額は前年同期比45%増の8,000億元に上る見通しという。

 BOCIはまた、同社の土地コストの低さを前向きに評価している。18年上期の土地取得費用は1平米当たり平均2,208元。この金額は1-10月の平均販売価格(同9,400元)の23%相当に過ぎず、同業銘柄の35%超に比べて割安。また、1-9月に新たに取得した開発用地は延べ床面積換算で8,450万平米と販売面積4,410万平米を上回り、手元の保有用地は大きく拡大した。土地取得総額は1,897億元で、成約額の45.6%相当。1平米当たりの取得コストは2,245元と、1-9月も引き続き、相対的に低水準を維持した。BOCIはこうした数字から18年末の純負債比率が60%前後を維持するとみている。

 一方、18年上期末(6月末)時点で、繰り越し分の未計上売上高は7,100億元に上った。BOCIはこの分から得られる未計上利益が700億元弱に達したと推計。下期にはさらに200億元分がこれに上乗せされる可能性が高いとした。こうした点を考慮すれば、19年予想PBR1.1倍相当の現在株価は過小評価に当たるとしている。

 BOCIは1株当たり予想NAV(純資産価値)を29.77HKドルへ5%下方修正。これに加え、非支配株主持ち分の増加を反映させる形で、18年の予想EPSを5%引き下げた。現在株価は19年予想PBRで1.1倍に当たり、予想NAVに対しては68%のディスカウント水準。19年予想PERでは3.4倍に過ぎず、同年の予想配当利回りは約10%。BOCIはほかに、30%を超える予想ROEやバランスシートの健全性にも言及し、現在株価のバリュエーションは魅力的な水準にあるとしている。