18年7-9月期決算は堅調、ネットサービスとIoT製品事業が急成長

現地コード 銘柄名
01810

小米集団

(シャオミ)

株価 情報種類
 13.60HKD
(11/20現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 小米集団の18年7-9月期決算は、売上高が前年同期比49%増の508億元に達し、純損益は前年同期の約110億元の赤字から25億元の黒字に転換した。非GAAPの調整後利益(年率換算)は前年同期比17%増の28億9,000万元。インターネットサービス事業およびIoTハードウェア事業の急成長が、スマートフォン事業の粗利益率の低下をカバーした。BOCIは目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 7-9月期決算を事業別に見ると、主力のスマートフォンの売上高は前年同期比36%増の350億元だった。出荷台数が同21%増の3,330万台に達するとともに、1台当たりの平均販売価格が前年同期の932元から1,051元へ13%上向いた。ただ、人民元やその他新興国通貨の為替変動がマイナスに作用し、部門粗利益率は6.1%へ4ポイント低下。BOCIはこれが、同社全体の粗利益率の低下(15.3%→12.9%)を招いたとみている。ほかに米国サプライヤーからの調達コストの増大も、スマホ部門の粗利益率に影響したという。同社のスマホ販売は国内市場より海外で伸びており、今後も為替要因による業績へのインパクトが続く見込み。経営陣はスマホ部門の利幅を維持するためには、製品設計の改善や製造業務の効率化が不可欠とみている。

 一方、IoTおよびスマート・ハードウエア部門の売上高は前年同期比90%増の108億元。スマートテレビ、スマートエアコンを含む各種IoT製品の海外売り上げの伸びが寄与した。部品などの国内調達比率の上昇に伴い、粗利益率は10.5%に改善している。

 また、ネットサービス部門の売上高は前年同期比85%増の47億元。期末のMAU(月間アクティブユーザー数)は2億2,400万人、ARPU(ユーザー1人当たり月額収入)は29%増の7.02元に達した。ネットサービスの大幅増収に寄与したのは、広告宣伝の強化。経営陣によれば、同社が強みを持つインドと中国のスマホ利用性向は類似点が多く、ネット接続時間数はいずれも1日4.5時間に上るという。

 BOCIはIoT部門の収益見通しの修正に伴い、18年の予想売上高を2.4%増額する半面、19年、20年に関しては0.5%減、0.9%減と小幅に減額修正した。また、為替変動による影響が増している現状を指摘し、スマホ部門の利幅低下圧力を反映させる形で、18年、19年、20年の予想EPS(非GAAP)をそれぞれ10.0%、4.4%、5.2%減額。さらに中国ネット銘柄全般に対する評価の後退を考慮した上で、従来より低い19年予想PER17.7倍をベースに目標株価を引き下げた。ただ、株価の先行きに対しては、引き続き強気見通しを付与している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは◇海外売り上げの増加に伴う為替リスクの拡大、◇世界スマホ市場のスローダウンが採算性悪化につながる可能性を挙げている。