インデックスファンドがベストではないが・・・

──今後もインデックス投資を続ける予定ですか。

 もちろんです。ただし、じつは私はインデックスファンドがベストだと思っているわけではないんです。

 

──というと?

 要するに私は世界中のあらゆる企業に分散投資したいんです。けれど、それらを個別に購入するのは現実問題として無理です。だから、仕方ないのでインデックスファンドで運用していますが、いくつか不満もあるんです。

──具体的にどんなところですか。

 例えば先進国株式のインデックスファンドというのは、世界中の先進国20数カ国の株式で構成されるのですが、国別構成比を見ると、米国株式が圧倒的に多く、5割以上を占めます。

 通常インデックスファンドは「浮動株調整」をするため、米国のような浮動株比率の高い国の比重が高くなりがちなんです。そのため、先進国株式といっても米国市場の動向に影響されやすい。別に米国株がダメというわけではなく、あまりにも偏りすぎではないかということです。

──そういえば吊ら男さんは、全世界株式のインデックスファンドは保有されていませんよね。「全世界」ならば日本も先進国も新興国もすべて含まれるわけですから、これ1本にする手もあると思うのですが。

 あれも「全世界」とは名ばかりで、米国の比重がそうとう高いんです。それがあまり……。

──新興国株式のインデックスファンドも国別構成比という点で不満がある?

 中国の割合が高いのは経済規模が大きいので仕方ないのですが、それにしてもちょっと高すぎるし、それにインドが低いのも不満です。

──吊ら男さんはインド株式のETF(上場投資信託)を保有していますね。新規購入はされていないようですが(中編一覧表参照)。

 新興国の中ではインドに期待をかけています。実は、資源大国と呼ばれる国々にあまり投資していません。資源が豊富だと何もしなくても国は潤うため、人々は努力を怠ります。だから、成長には限界があると考えていて。それに対してインドは、国民の知恵や技術によって成長を目指そうとしているので、有望視しています。

──新興国株のインデックスファンドはインドの比重が低いため、インド株式のETFでバランスを取っているわけですね。

 その通りです。インド一カ国に投資するインデックスファンドがないため、ETFを購入しました。

 

──いずれにしてもインデックスファンドに全幅の信頼を置いているわけではないと。

 インデックスファンドよりもバランスよく分散できて、なおかつコストが安いファンドができたら間違いなく乗り換えます。とはいえ、そんな商品が生まれる可能性は高いとはいえない、当面はインデックスファンドメインでいくことになるでしょう。

──では、最後にこれから投資を始める、あるいは投資を始めて間もないビギナーにアドバイスをいただけますか。

 私は年平均100万円から150万円程度の利益を出してきましたが、そのくらいの稼ぎで満足できるならばインデックス投資をオススメします。そんな稼ぎでは話にならない、やるなら一攫千金を狙いたいという人は別の方法を模索することです。

 あと、いったんインデックス投資を始めたらふらふらしないこと。ちょっといい結果が出ると、欲が出て、高リターン商品に手を出したくなったりするものです。それでうまくいけばいいですが、すべてを台無しにする恐れもあります。一度、投資方針を決めたら、貫き通すべきでしょう。

 

読者へメッセージ

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