連休前で4営業日となった先週の国内株市場ですが、週末11月22日(木曜日)の日経平均終値は2万1,646円でした。週足ベースでは2週連続の下落となったものの、前週末終値(2万1,680円)比ではわずかに34円安と、小幅な下落にとどまっています。前回のレポートでも指摘した通り、相場の地合いは「思ったよりもしっかり」だった印象です。

 11月相場も今週で終わり、いよいよ2018年も最後の月を迎えることになります。米国では先週末の「ブラックフライデー」からクリスマス商戦がスタートし、今週末にはアルゼンチンで開催されるG20のタイミングで行われる米中首脳会談という注目イベントが控えていますが、果たして今週も堅調な展開となるのでしょうか?

 いつもの通り、下の図1で足元の確認から始めます。

■(図1)日経平均(日足)の動き(2018年11月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 

 先週の日経平均を振り返ると、下向きの5日移動平均線や25日移動平均線を下回っての推移が続きました。前日比の騰落状況についても、19日(月)が140円高、20日(火)が238円安、21日(水)が75円安、22日(木)が139円高となっていて、上昇と下落が入れ替わる値動きだったことで、比較的に落ち着かない展開だったと言えます。

 そして、ローソク足の形に注目すると、20日(火)に迷いを示すとされる「十字線」が出現しています。ただし、十字線の出現よりも、この線が微妙に陽線で終えたことの方が重要かもしれません(この日の始値は2万1,582円、終値が2万1,583円で、かろうじて陽線でした)。というのも、先週のローソク足がすべて陽線となり、株価の下落局面でも買い戻される動きの方が目立っていたことになるからです。

 とりわけ、21日(水)に見せた陽線は意味がありそうです。この日の取引はNYダウが551ドル安となるなど、米国株市場が急落して迎えたのですが、終わってみれば日本株は大きく下げ幅を縮小させたことになります。そのきっかけとなったのは中国株市場で、同日の上海総合指数は上昇しています。

 ここで思い出されるのが、前週13日(火)の取引です。ここでもアップル株を中心に米国株市場が大きく下落した流れを受けた日なのですが、日経平均は中国株市場の上昇を背景に下落幅を縮小させて、下ヒゲの長いローソク足の形になりました。つまり、日本株は「米国株からの軟調ムードで下落した後、中国株の堅調ムード」によって支えられるという展開が2週続けて現れたことになります。

 そこで、中国株市場についても見ていきたいと思います。下の図2は前回も紹介した上海総合指数チャート(日足)とMACDになります。

■(図2)上海総合指数(日足)とMACD(2018年11月23日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 上海総合指数は10月26日の直近安値を底に、反発の兆しを見せていたのですが、前回注目していた75日移動平均線の上値抵抗線を上抜けしきれずに戻り基調は一服しています。特に、日本が休場だった23日(金)に大きく株価を下げています。さらに、下段のMACDを見ても、前回上抜けした「0(ゼロ)」ラインも再び下抜けてしまいました。

 そのため、今週の国内株市場は、日経平均の値動きが示すように、「株価が下がったら買いが入りやすい」地合いが続くというのがメインシナリオとして想定されるものの、支えとなっている中国株市場が今週末の米中首脳会談を控えて、落ち着かない展開になりそうなため、値動きの振れ幅は先週よりも大きくなる可能性には注意が必要かもしれません。

 また、値幅としては、下の図3のように移動平均線やHLバンドの水準が意識されそうです。

■(図3)日経平均(日足)とHLバンド(2018年11月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 下値については、HLバンドの下限の線が示す通り、10月26日の直近安値(2万0,971円)や2万1,000円水準などが目安となります。一方、上値の目処については、HLバンドの上限の線や、各移動平均線(25日・75日・200日)などが挙げられますが、いずれの株価水準も現時点で2万3,000円を下回っており、2万3,000円までにいくつかのハードルが立ちふさがっている格好です。

 結局は、「米中首脳会談の動向待ち」ではありますが、今週を「ハードル越え」のための助走期間として捉え、前にこぎ出すペダルを踏み込むことができるかが焦点になりそうです。