18年7-9月期決算は予想上振れ、フィンテック事業などに成長期待

現地コード 銘柄名
00700

騰訊控股

(テンセント・ホールディングス)

株価 情報種類
 272.20HKD
(11/15現在)
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 テンセントの18年7-9月期決算は、売上高が前年同期比23.6%増の805億9,500万元、純利益が同29.6%増の233億3,300万元に達した。売上高はほぼ市場の予想通りで、BOCIの予想を2%上回る水準。非GAAPの純利益(前年同期比15.5%増の197億1,000万元)は市場予想を6%、BOCI予想を2%上回った。実効税率が前期の16.2%から12.1%に低下したことが、予想上振れの主な要因。BOCIは18-20年の予想EPSをそれぞれ0.7%、1.2%、1.8%小幅に下方修正。これに伴い目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

 7-9月期には、PCゲームの売上高が前期比4%減少する半面、モバイルゲームの売上高は11%増。主に「MT4」「聖闘士星矢」「自由幻創(フリーファンタジー)オンラインモバイル」といった新作の寄与と、旗艦タイトル「王者栄耀(Honor of Kings)」の売り上げ増がモバイルゲームの増収を支えた。7-9月期の時点で、当局から収益事業化認可を受けたゲームは15作品で、うち複数の作品を同期中にリリースしている。一方、PCゲームは減収となったものの、期中の現金売り上げは増加。このため、7-9月期の繰り延べ収入は467億元と、前期の442億元から増加した。

 オンライン広告収入は前期比15%増、前年同期比47%増。微信「Miniプログラム(小程序)」の広告インプレッション(表示回数)およびクリックスルーの増加や、「モーメンツ」(朋友圏)」のインプレッションの伸びを受け、ソーシャル広告収入が前年同期比61%増を記録した(4-6月期は同55%増)。メディア広告収入は前期比8%増、前年同期比23%増で、動画広告収入はそれぞれ13%、34%の伸びだった。

 その他収入は前期比16%増、前年同期比69%増。主にオンライン決済サービスの伸びが好調を後押しした。同社は資産運用サービスの「理財通」やマイクロファイナンスの「微粒貸」を含め、高利益率のフィンテックビジネスを強化している。

 7-9月の純利益率は24.5%、営業利益率は28.0%(非GAAP)。実効税率は4-6月の16.2%から21.7%に上昇した。BOCIは同期決算において、ほかに◇クラウドサービスの売上高が1-9月に60億元を超えた、◇動画加入者数が8,200万人に達した(4-6月は7,400万人)点を前向きに評価している。

 BOCIは中国経済の先行き不透明感を理由に、オンライン広告の減速を見込む半面、その他部門(クラウドやフィンテックなど)の成長が加速するとみて、18-20年の収益見通しを微調整。PEGレシオ1.2倍をあてはめ、目標株価を下方修正した。19年の非GAAPの予想EPSを前年比17%増の9.48元に設定(人民元相場を1米ドル=7.00元を想定)。20年に関しては前年予想比28%の12.12元とした。新たな目標株価は18年、19年の予想PERでそれぞれ40倍、34倍の水準となる。