米国で「インフラ投資関連株」が注目され始めた
こうした中、米国市場では「インフラ投資関連株」のパフォーマンス改善が注目されています。
図表2は北米市場を中心にインフラ(道路、橋、空港、鉄道、配電網、水道等の社会的基盤)の整備・開発を事業とする銘柄で構成されるインフラ開発株指数(The U.S. Infrastructure Development Index)の月初来騰落率を示したものです。
上位銘柄はCSX、ノーフィーク・サザン、ユニオン・パシフィック(陸運)、ファスナル(鉱業・建設資材)、フォーティブ(工業技術)、ニューコア(鉄鋼)などです。
11月6日に実施された米中間選挙の結果を受け、トランプ米大統領は下院議会の議席数で過半を奪回した民主党と政策協議をしていく必要があります。
特に大統領再選(2020年)を目指すため、法人減税の効果が剥落(はくらく)しそうな2019年に景気の下支え策を実施すると考えられます。
一方の民主党は、オバマ政権下からインフラの整備の拡充を唱え、前回の大統領選挙時(2016年)には、ヒラリー・クリントン候補が「公共事業に5年で2,750億ドルを投資する」という公約を表明しました。
トランプ大統領としては、超党派で民主党が支持しやすい「インフラ投資(公共投資)拡大」を打ち出したいところでしょう。同大統領は今年2018年1月の一般教書演説で、「10年間で1.5兆ドル(約170兆円)を投資する」とのインフラ再興計画を提唱。議会に法案作成を呼びかけた経緯があります。米国市場は、予算の策定で主導権を握った下院民主党と大統領府が、インフラ投資拡大に向け協議を進めるシナリオを織り込み始めたかのようです。